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【2026年5月更新】生命保険 40代会社員|手取り減の3基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年5月更新】生命保険 40代会社員|手取り減の3基準
生命保険 40代会社員
介護保険料 上昇
生命保険 見直し
収入保障保険
傷病手当金
NISA iDeCo
生命保険料控除

介護保険料が上がる40代は生命保険をどう見るべきか

40代会社員は、40歳になると公的介護保険の第2号被保険者となり、健康保険料に介護保険料が上乗せされます。2026年度の協会けんぽでは、40歳から64歳までの 介護保険料率1.62% が全国一律で加わります。詳しくは(令和8年度の協会けんぽの保険料率は3月分から改定されます)で確認できます。
今回のテーマは、介護保険料そのものの増加額だけではありません。物価高、教育費、住宅ローン、老後資金準備が重なる40代で、手取りがじわじわ圧迫されるなか、生命保険をどこまで持つかを見直すことです。生命保険文化センターの2025年度調査では、生命保険の年間払込保険料の平均は17.1万円、死亡保険金の必要額は1,569万円に対して加入金額は887万円とされています。平均だけで判断はできませんが、40代の保険見直しでは「払いすぎ」と「足りない保障」の両方を同時に見る必要があります。詳しくは(生活保障に関する調査)で確認できます。

この記事で確認する3基準

  • 1
    手取り減を前提に、毎月の保険料が家計を圧迫していないか確認します。
  • 2
    死亡保障、医療保障、就業不能保障を、公的保障と勤務先制度込みで再計算します。
  • 3
    NISA、iDeCo、生命保険料控除を含め、保障と資産形成の優先順位を決めます。

基準1:介護保険料率1.62%を手取りに反映する

2026年度の協会けんぽの介護保険料率は1.62%です。会社員の場合は原則として会社と本人で折半するため、標準報酬月額40万円なら本人負担の介護保険料は月3,240円が目安です。前年の1.59%からの上昇幅だけを見ると、同じ標準報酬月額40万円で月60円程度の増加です。
ただし、40代の家計ではこの小さな増加を単独で見るより、健康保険料、厚生年金保険料、雇用保険料、住宅ローン、教育費、保険料を合算して見ることが大切です。協会けんぽではなく健康保険組合に加入している人は、組合ごとの料率や付加給付も異なります。給与明細の「健康保険」「介護保険」「厚生年金」の欄を見ながら、 固定費全体 を棚卸しするのが実務的です。

月数十円の増加なら生命保険は見直さなくてもよい?

介護保険料の増加が月数十円なら、生命保険まで見直す必要はない気がします。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
増加額だけなら大きくありません。ただ、40代は教育費、住宅ローン、老後資金が同時に重なる時期です。介護保険料の改定をきっかけに、固定費全体を棚卸しすると、入りすぎの保障や目的が曖昧な保険を見つけやすくなります。

保険料の上限は手取りから逆算する

生命保険の保険料は、なんとなく「昔から払っているから」で続けがちです。しかし40代会社員は、手取りから生活費、教育費、住宅費、貯蓄・投資額を差し引いたうえで、保険料の上限を決めるほうが安全です。
たとえば、毎月の手取りが32万円、住宅ローンと管理費で11万円、生活費と教育費で17万円、NISAや預貯金で3万円を確保したい家庭なら、保険料に使える余地は1万円前後です。ここで保険料が毎月2万〜3万円ある場合、保障が必要かどうかとは別に、家計の自由度を下げている可能性があります。
赤字月が多い場合は、死亡保障を厚くするより先に、貯蓄性保険の減額、特約の整理、保障期間の見直しを検討します。保障は大切ですが、保険料の支払いで生活防衛資金が減る状態は避けたいところです。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
40代の生命保険は、安心を増やすだけでなく、家計の自由度を失わない範囲に収めることが大切です。

基準2:死亡保障は遺族年金と団信を差し引く

40代会社員の生命保険で最初に確認したいのは死亡保障です。配偶者や子どもがいる場合、万一の保障は必要になりやすい一方、必要額を大きく見積もりすぎると保険料が重くなります。
計算の出発点は、遺族年金、勤務先の弔慰金・死亡退職金、住宅ローンの団体信用生命保険です。日本年金機構では、遺族年金について「遺族基礎年金」「遺族厚生年金」があり、亡くなった人の加入状況などによっていずれか、または両方が支給されると説明しています。制度の概要は(遺族年金)で確認できます。
住宅ローンに団信が付いていれば、死亡時に住宅ローン残高がなくなるケースがあります。その場合、賃貸世帯より必要保障額が小さくなることもあります。反対に、配偶者がすぐ働けない、子どもが複数いる、私立進学を予定している家庭では、教育費分を厚めに見る必要があります。

死亡保障を見直すときの確認項目

  • 1
    家族が毎月必要とする生活費から、配偶者の収入見込みを差し引きます。
  • 2
    遺族年金、勤務先制度、団信の有無を確認して、不足額だけを保険で補います。
  • 3
    子どもの独立時期に合わせて、保障期間を長くしすぎないようにします。
  • 4
    既契約を解約する前に、新しい保険へ加入できる健康状態か確認します。

収入保障保険は40代会社員と相性がよい場合がある

子育て中の40代会社員では、死亡時に毎月一定額を受け取れる収入保障保険が候補になります。大きな一時金を持つ定期保険より、子どもの成長とともに減っていく 必要保障額 に合わせやすいからです。
たとえば、末子が現在8歳で大学卒業まで14年ある家庭なら、「65歳まで一律で大きな死亡保障を持つ」より、「子どもが独立する頃まで毎月一定額を受け取れる保障」を検討したほうが、保険料を抑えやすい場合があります。
ただし、保険料だけで選ぶのは危険です。保障月額、最低支払保証期間、健康状態による割引、非喫煙者割引、支払条件を確認しましょう。すでに大きな定期保険や貯蓄型保険に入っている場合は、収入保障保険へ乗り換える前に、解約返戻金や告知の可否も確認が必要です。

40代から民間介護保険に入るべき?

介護保険料が上がるなら、民間の介護保険にも入っておいたほうが安心ですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
必ずしもそうとは限りません。40代では、まず死亡保障、就業不能時の生活費、医療費の自己負担、教育費を優先して確認しましょう。民間介護保険は、老後資金計画とセットで不足が見えた場合に検討するのがおすすめです。

基準3:医療・介護の不安は民間保険だけで埋めない

介護保険料が上がると、「自分の介護にも民間介護保険で備えるべきか」と考える方がいます。ここで注意したいのは、公的介護保険料と民間の介護保険は別物だという点です。40代が払う公的介護保険料は、介護サービス制度を支えるための社会保険料です。
一方、民間介護保険は、所定の要介護状態になったときに一時金や年金を受け取る商品です。生命保険文化センターの2025年度調査では、民間の介護保険・介護特約の加入率は10.4%にとどまります。加入率が低いから不要という意味ではありませんが、40代では「親の介護費用」ではなく、「自分が将来介護状態になったときの家計」「配偶者の収入」「老後資金」「住まい」を分けて考えることが大切です。

医療保険は高額療養費制度を前提に不足分を持つ

医療保険は、入院したらいくら出るかだけでなく、公的医療保険でどこまで守られるかを先に見ます。会社員には健康保険があり、医療費が高額になった場合には 高額療養費制度 が使えます。さらに勤務先によっては、付加給付や傷病見舞金があることもあります。
一方で、制度は固定ではありません。厚生労働省は2026年4月更新の資料で、医療保険制度改革の一環として高額療養費の年間上限の新設などの見直しを示し、今後所要の法令改正を予定するとしています。最新の考え方は(現在検討している医療保険制度改革についての考え方)で確認できます。
そのうえで、差額ベッド代、通院費、食費、家族の交通費、収入減少など、公的制度で埋まりにくい支出に備えます。医療保険を厚くしすぎてNISAや預貯金が止まるより、まずは数か月分の生活防衛資金を作るほうが家計に合うケースもあります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
保険で全部を守ろうとすると保険料が膨らみます。保険は大きな不足を埋める道具、日常の備えは貯蓄と資産形成で作るのが基本です。

就業不能リスクは傷病手当金の後を考える

40代会社員にとって、死亡より現実味があるのが働けない期間の収入減です。会社員は病気やケガで働けない場合、条件を満たせば健康保険の傷病手当金を受け取れます。協会けんぽでは、傷病手当金の支給期間は支給開始日から通算して1年6か月、支給額はおおむね標準報酬月額をもとにした日額の3分の2と説明されています。詳しくは(傷病手当金)で確認できます。
ただし、給与の全額が補われるわけではありません。住宅ローン、教育費、生活費は続きます。そのため、生命保険の見直しでは、死亡保障だけでなく就業不能保険や所得補償系の保障も比較対象に入れます。貯蓄が6か月分以上ある家庭と、生活防衛資金が少ない家庭では、必要な保障の優先順位が変わります。

40代会社員の見直し手順

  • 1
    給与明細で健康保険料、介護保険料、厚生年金保険料の控除額を確認します。
  • 2
    保険証券を並べて、死亡、医療、がん、就業不能、貯蓄性保険に分類します。
  • 3
    遺族年金、団信、勤務先制度を反映して、死亡保障の不足額を再計算します。
  • 4
    生活防衛資金、NISA、iDeCo、教育費積立の優先順位を家計表に落とし込みます。
  • 5
    解約や乗り換えの前に、健康状態、解約返戻金、税金、保障空白期間を確認します。

NISA・iDeCo・生命保険料控除も同時に見る

40代会社員は、生命保険の見直しと同時にNISAやiDeCoの積立額も確認しましょう。2024年からのNISAは、つみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、合計で年間360万円まで利用でき、非課税保有限度額は1,800万円です。制度の概要は金融庁の(NISAを知る)で確認できます。
また、2026年分の所得税では、23歳未満の扶養親族がいる場合、一般生命保険料控除の限度額が一時的に6万円へ拡充される制度があります。生命保険協会の資料でも(生命保険料控除に関する税制改正について)として案内されています。ただし、一般、介護医療、個人年金を合わせた全体の所得控除限度額は12万円のままです。 控除があるから加入する のではなく、必要な保障に控除が付くなら活用する、という順番が大切です。

6月以降の保険相談では提案理由も確認する

2026年6月1日からは、令和7年保険業法改正に係る内閣府令等が施行されます。金融庁は、特定大規模乗合保険募集人に対する体制整備義務の強化や、保険会社等による過度な便宜供与の禁止などを公表しています。詳細は(令和7年保険業法改正に係る内閣府令等の公布及びパブリックコメント結果の公表について)で確認できます。
読者側が実際に意識したいのは、「なぜその保険を勧めるのか」を聞くことです。比較した商品範囲、保険料だけでなく保障条件をどう見たのか、既契約を残す選択肢はないのかを確認しましょう。家計が厳しい40代ほど、商品単体ではなく、給与明細、住宅ローン、教育費、NISA、iDeCoまで含めて相談できる相手を選ぶことが大切です。

40代会社員は「削る」より「並べ替える」見直しを

介護保険料上昇後の生命保険見直しは、単純に保険を削る作業ではありません。必要な死亡保障は残し、過剰な特約や目的が曖昧な貯蓄型保険を整理し、浮いたお金を生活防衛資金やNISA、iDeCo、教育費に回す並べ替えです。
特に40代は、子どもの進学、住宅ローン、親の介護、自分たちの老後準備が同時に見えてきます。だからこそ、保険商品だけで判断せず、家計全体のキャッシュフローで確認することが重要です。保険料を下げることが正解の家庭もあれば、死亡保障を減らさず医療特約だけ整理するほうがよい家庭もあります。答えは、家族構成と勤務先制度、貯蓄額によって変わります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    2026年度の協会けんぽの介護保険料率は1.62%で、40代会社員は手取りへの影響を固定費全体で確認する必要があります。
  • 2
    死亡保障は、遺族年金、団信、勤務先制度を差し引いた不足額だけを生命保険で補う考え方が基本です。
  • 3
    医療・介護・就業不能の不安は、民間保険だけでなく公的制度、貯蓄、勤務先制度と組み合わせて備えます。
  • 4
    NISA、iDeCo、生命保険料控除を含め、保障と資産形成の優先順位を家計ごとに並べ替えることが大切です。

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