【2026年10月更新】保険料控除申告書の書き方|生命保険3枠整理
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

保険料控除申告書 書き方
生命保険料控除
年末調整 保険
一般生命保険料控除
介護医療保険料控除
個人年金保険料控除
2026年 年末調整
年末調整前に「どこへ何を書くか」で迷いやすい理由
毎年秋になると、勤務先から 保険料控除申告書 の提出を求められます。生命保険に入っている人は、保険会社から届く控除証明書を見ながら記入しますが、「一般」「介護医療」「個人年金」の3枠、新制度と旧制度、契約者や受取人の欄があり、初めて見るとかなり複雑です。
この記事では、2026年10月時点の年末調整に向けて、生命保険料控除の3枠をどう整理し、保険料控除申告書にどう転記するかを実務目線で解説します。すでに控除証明書が届いている人も、電子交付を待っている人も、提出前の確認に使える内容です。
この記事で整理できること
- 1生命保険料控除の一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の違いを確認できます。
- 2控除証明書のどの項目を、保険料控除申告書のどの欄へ転記するかを把握できます。
- 3新制度と旧制度が混在している場合の見分け方と上限額の違いを整理できます。
- 42026年分・2027年分の子育て世帯向け一般生命保険料控除6万円特例で注意する点を確認できます。
- 5提出前に、保険料、保障、NISA、iDeCo、教育費の家計配分を見直すきっかけを作れます。
生命保険料控除は3枠で考える
生命保険料控除 は、支払った保険料の一部を所得から差し引ける仕組みです。税金そのものが保険料分だけ戻るわけではなく、課税対象となる所得が小さくなることで、所得税や住民税の負担が軽くなる可能性があります。
国税庁の(No.1140 生命保険料控除)でも、対象は「生命保険料」「介護医療保険料」「個人年金保険料」の3種類に分けて説明されています。死亡保障、医療・がん・介護保障、老後資金づくりの年金保険というように、保障目的ごとに分かれていると考えると理解しやすくなります。
控除証明書の金額は上限額に直して書くべきですか?
控除証明書には年間保険料が10万円とあります。申告書には控除上限の4万円や6万円に直して書くのでしょうか?
基本的には、控除証明書に記載された支払保険料等の金額をそのまま転記します。控除額への計算は申告書や勤務先の年末調整システム側で行います。自分で上限額へ丸めると、証明書の金額と合わず確認が必要になることがあります。
保険料控除申告書で最初に見る欄
国税庁の(A2-3 給与所得者の保険料控除の申告)では、保険料控除申告書は年末調整で生命保険料や地震保険料などの控除を受けるために給与の支払者へ提出する書類とされています。提出時期は、その年最後に給与等の支払を受ける日の前日までです。ただし実際には、勤務先が11月ごろに社内期限を設けることが多いため、会社の案内を優先してください。
生命保険料控除欄で見る項目は、保険会社名、保険等の種類、保険期間または年金支払期間、契約者、保険金等の受取人、新旧区分、支払保険料等です。支払保険料等とは、その年に支払った金額から剰余金や割戻金を差し引いた残額を指します。手書きでもシステム入力でも、まずは控除証明書の記載を確認するのが出発点です。
一般生命保険料控除は死亡保障や学資保険が中心
一般生命保険料控除には、死亡保険、定期保険、終身保険、収入保障保険、学資保険などが該当するケースがあります。家族に万一があったときの生活費、教育費、葬儀費用などに備える契約が中心です。
ただし、商品名だけで判断するのは危険です。同じ「学資」や「終身」といった名前でも、契約内容や特約の扱いによって控除証明書上の区分が異なることがあります。申告書では「一般の生命保険料」の欄に記入しますが、判断に迷ったら商品パンフレットではなく控除証明書の区分を優先しましょう。
保険料控除申告書は、保険商品の名前で考えるより、控除証明書に書かれた区分を正確に写すことが一番の近道です。
介護医療保険料控除は医療・がん・介護の備え
介護医療保険料控除には、医療保険、がん保険、介護保険など、入院、手術、通院、先進医療、介護状態などに備える保険が該当することがあります。2012年以降の新制度で設けられた枠のため、旧契約には介護医療保険料控除という区分がありません。
昔から加入している医療特約付きの生命保険は、証明書上で一般生命保険料として表示されることもあります。逆に、最近加入した医療保険でも、複数の保障が組み合わさった契約では主たる保障内容に応じて扱われます。ここも自己判断せず、控除証明書の区分をそのまま使うのが安全です。
医療保険なのに一般生命保険料と書かれていたら?
医療特約が付いている保険なのに、控除証明書では一般生命保険料と表示されています。介護医療の欄に直した方がいいですか?
直さず、控除証明書の表示に合わせてください。旧契約や主契約と特約の構成によって、医療保障が含まれていても一般生命保険料として扱われることがあります。不安なら、勤務先の年末調整担当者か保険会社に確認しましょう。
個人年金保険料控除は条件を満たす年金保険のみ
個人年金保険料控除は、老後資金づくりのための個人年金保険が対象です。ただし、すべての年金保険が自動的に該当するわけではありません。個人年金保険料税制適格特約が付いていることなど、一定の条件を満たす必要があります。
控除証明書に「個人年金保険料」と表示されていれば、申告書の個人年金保険料欄に記入します。一方で、外貨建て保険、変額保険、貯蓄性の高い保険であっても、証明書上は一般生命保険料に分類される場合があります。老後資金目的で加入したかどうかではなく、税制上の区分で見分けるのがポイントです。
保険料控除申告書を書く前の5チェック
- 1保険会社から届いた控除証明書をすべて集め、紙と電子の重複や漏れがないか確認します。
- 2控除証明書ごとに、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料のどの枠かを確認します。
- 3新制度か旧制度かを見て、申告書または年末調整システムの該当欄を選びます。
- 4契約者、受取人、支払保険料等の金額を証明書どおりに転記します。
- 5勤務先の提出期限、添付書類、電子データ提出の可否を最後に確認します。
新制度と旧制度の違いは契約日だけで決めつけない
生命保険料控除では、 新旧区分 も重要です。一般に、2012年1月1日以後に締結した契約は新制度、2011年12月31日以前に締結した契約は旧制度として扱われます。
新制度の所得税控除額は、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の各枠で原則最高4万円、3枠合計で最高12万円です。旧制度は、旧生命保険料と旧個人年金保険料がそれぞれ最高5万円ですが、3枠合計の上限は同じく12万円です。古い契約でも更新、転換、特約の中途付加などで扱いが変わることがあるため、年末調整では控除証明書に記載された「新」「旧」を確認しましょう。
2026年分・2027年分は子育て世帯の6万円特例に注意
2026年10月時点では、令和8年分・令和9年分の所得税について、年齢23歳未満の扶養親族がいる場合、新制度の一般生命保険料控除の限度額が4万円から6万円に拡充される特例が設けられています。国税庁の(昨年と比べて変わった点(基礎控除の引上げ等))でも、年間の新生命保険料が120,000円超の場合は控除額が一律60,000円になる計算表が示されています。
ただし、対象になるのは新生命保険料に係る一般生命保険料控除です。介護医療保険料控除や個人年金保険料控除まで6万円になるわけではありません。また、一般、介護医療、個人年金を合わせた所得税の合計適用限度額は12万円のままです。控除が2万円増えても、所得税率10%の人なら税負担の軽減は概算で2,000円強です。保険料を増やす理由は、節税額ではなく必要な保障があるかで考えましょう。
6万円特例はありがたい制度ですが、保険を増やす合図ではありません。家族に必要な保障を確認した結果として、控除も使えるなら活用する、という順番が大切です。
書き方で多いミスは「区分違い」と「契約者の思い込み」
保険料控除申告書でよくあるミスは、医療保険を一般生命保険料欄に入れる、個人年金保険を一般欄に入れる、旧制度と新制度を取り違える、といった区分違いです。特に複数の保険会社に加入している家庭では、同じ会社から紙と電子の両方で確認してしまい、二重入力にならないよう注意しましょう。
もう一つ多いのが、契約者と実際に保険料を負担している人の確認不足です。生命保険料控除は、原則としてその年に保険料を支払った人が受ける控除です。家族名義の契約であっても、誰が保険料を支払っているのか、受取人が要件に合っているか、口座名義や家計管理の実態も含めて確認しておくと安心です。
提出前に確認したい添付書類と電子交付
生命保険料控除を受けるには、原則として生命保険料控除証明書など、支払金額を証明する書類の提出または提示が必要です。紙の証明書を勤務先へ提出するケースもあれば、電子データを年末調整システムに取り込むケースも増えています。
国税庁の(マイナポータルと連携した年末調整手続)では、生命保険料控除証明書などをマイナポータル経由で取得し、控除申告書へ自動入力できる仕組みが案内されています。ただし、契約している保険会社が対応していること、勤務先のシステムが電子データ提出に対応していることが前提です。電子ファイルを紙で出す必要がある場合は、e-Taxの(QRコード付証明書等作成システムについて)でQRコード付控除証明書を作成できる場合がありますが、スマートフォンは推奨環境外とされています。早めに勤務先の提出方法を確認しましょう。
控除申告は保険と資産形成の見直しにもなる
年末調整は、単に税金の書類を出すだけの作業ではありません。控除証明書を集めるタイミングは、1年間で支払った保険料を見える化できる貴重な機会です。
たとえば、死亡保障が子どもの独立後も大きいままになっている、医療保険と勤務先の福利厚生が重複している、個人年金保険の利回りとiDeCoやNISAの役割が整理できていない、といったことに気づける場合があります。iDeCoは掛金が所得控除の対象になりますが、原則60歳まで引き出せません。NISAは運用益が非課税になる一方、投資元本が保証される制度ではありません。保険料控除の枠を埋めることだけを目的にせず、死亡保障、医療保障、教育費、老後資金、緊急資金を分けて考えましょう。
まとめ:重要ポイント
- 1生命保険料控除は、一般生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3枠で整理します。
- 2申告書には、控除証明書の区分、新旧区分、支払保険料等を基本的にそのまま転記します。
- 32026年分・2027年分は、23歳未満の扶養親族がいる場合の一般生命保険料控除6万円特例に注意が必要です。
- 4控除額を増やすためだけに保険を増やすのではなく、必要保障額と家計全体のバランスを確認しましょう。
- 5電子交付やマイナポータル連携を使う場合も、保険会社と勤務先の対応状況を早めに確認しましょう。
年末調整前に保険と家計をまとめて棚卸し
保険料控除申告書で迷う背景には、今の保険が家計に合っているか分からない不安もあります。ほけんのAIなら、まずLINEでAIに相談し、必要に応じて有資格者FPとの無料オンライン相談へ進めます。累計相談数90,000件以上、全国対応で、保険、NISA、iDeCo、教育費を中立的に整理できます。家計簿や保険証券があると、相談もよりスムーズです。
🎁今なら面談後アンケート回答で
1,500円分全員プレゼント!

関連記事一覧

【2026年10月更新】生命保険料控除とiDeCo|ひとり親の所得判定3基準
生命保険料控除とiDeCoをひとり親向けに整理。合計所得金額、課税所得、児童扶養手当の所得判定の違いと年末調整前の確認点を解説します。

【2026年10月更新】生命保険相談の選び方|比較推奨販売前の3基準
生命保険相談の選び方を、比較推奨販売の新ルール前に確認したい3基準で解説。相談員の立場、推奨理由、家計全体の見方、相談後の確認点まで整理します。

【2026年10月更新】遺族厚生年金の継続給付|不足額3基準
2028年の遺族厚生年金見直しと継続給付を踏まえ、生命保険の不足額を生活費、教育費・住居費、働けないリスクの3基準で整理します。

【2026年10月更新】生命保険料控除証明書|年末調整前の電子交付3手順
生命保険料控除証明書の電子交付を年末調整前に進める3手順を解説。マイナポータル連携、QRコード付証明書、2026年分の子育て世帯6万円特例の注意点まで整理します。

【2026年10月更新】親の生命保険見直し|保険料確認3手順
親の生命保険見直しを50代子世代向けに解説。保険料、保障目的、契約者・受取人、税金、医療・介護費、子世代家計への影響を3手順で整理します。

【2026年10月更新】生命保険料の平均|30代子育て払いすぎ3チェック
30代子育て世帯の生命保険料の平均を最新統計で確認。手取り比率、必要保障額、貯蓄型保険、控除やNISAとの配分から払いすぎを見直す方法を解説します。


















