【2026年9月更新】生命保険比較表の見方|2028年施行前3チェック
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

生命保険 比較表
生命保険 比較
2028年3月 生命保険
保険 比較 推奨
生命保険 見直し
NISA 保険 見直し
生命保険料控除
目次
比較表は「安い順」ではなく「合う・合わない」を見る道具
生命保険の比較表を見ると、つい月額保険料の安さに目が行きます。ただ、死亡保障、医療保障、がん保障、貯蓄性のある保険を同じ土俵で並べると、安い商品ほど良く見えてしまうことがあります。
2026年9月時点では、保険代理店などが複数の保険商品を比較・推奨する際の説明ルールが見直され、2028年3月1日から新しい内閣府令・監督指針が施行・適用される予定です。金融庁は、乗合代理店における適切な比較推奨販売の確保を目的に、(令和7年保険業法改正に係る内閣府令及び監督指針等の一部改正案に対するパブリックコメントの結果等)を公表しています。
この記事では、一般の家庭が 生命保険比較表 を見る前に確認したい3つのチェックを、子育て世帯や住宅ローン返済中の会社員にも使いやすい形で整理します。
保険料が安い商品を選べば失敗しませんか?
比較表を見ると、月額保険料が一番安い商品を選びたくなります。やはり安いほうが得ですか?
保険料は大切ですが、最初に見るべきなのは必要保障額、保障期間、給付条件です。保険料が安くても、必要な時期より前に保障が切れたり、更新後に保険料が上がったりすると、家計に合わない可能性があります。
まずは必要保障額を決めると比較表が読みやすくなる
生命保険の比較で最初にそろえるべき条件は、保険料ではなく 必要保障額 です。必要保障額とは、万一のときに家族の生活費、教育費、住居費などをまかなうために必要な金額から、遺族年金、預貯金、勤務先の弔慰金、配偶者の収入などを差し引いた不足額のことです。
たとえば、子どもが小さい家庭では、今後の生活費と教育費が大きくなりやすいため、死亡保障は一定期間厚めに必要になることがあります。一方で、住宅ローンに団体信用生命保険が付いている場合、住宅費の一部は保険でカバーされるため、死亡保障を上乗せしすぎない確認も必要です。
生命保険文化センターの2024年度調査では、2人以上世帯の生命保険・個人年金保険を含む世帯加入率は89.2%、世帯年間払込保険料は平均35.3万円、世帯普通死亡保険金額は平均1,936万円でした。平均額は参考になりますが、必要額は家族構成や住宅ローンの有無で大きく変わります。数字を見たい方は、(生命保険に関する全国実態調査)も確認しておくと、比較表の前提をつかみやすくなります。
生命保険比較表で見るべき3チェック
- 1死亡保険金、入院給付金、がん診断一時金などの保障内容を、できるだけ同じ条件にそろえて比較します。
- 2保険期間と払込期間を確認し、保障がいつまで続くのか、保険料をいつまで払うのかを分けて見ます。
- 3更新型か全期型かを確認し、40代以降や60歳前後の保険料上昇が家計に耐えられるかを見込みます。
- 4提案理由を確認し、家族構成、遺族年金、住宅ローン、教育費、勤務先の保障に合っているかを質問します。
- 5解約返戻金や付帯サービスは、主目的である保障を満たした後に比較する項目として扱います。
2028年3月施行前に読者が意識したい変化
今回の制度見直しで読者が押さえたいのは、「おすすめされた理由を聞いてよい」という点です。金融庁の公表資料では、乗合代理店における比較推奨販売の適正化に向けた体制整備が示され、改正後の内閣府令は2028年3月1日から施行、監督指針も同日から適用される予定です。
ここでいう乗合代理店とは、複数の保険会社の商品を取り扱う代理店のことです。読者にとって重要なのは、制度の細かい条文を覚えることではありません。比較表を見たときに、「なぜこの商品が候補に入っているのか」「ほかの商品が外れた理由は何か」「自分の希望条件と違う点はどこか」を確認する姿勢です。
なお、権限明示義務や意向把握義務は今回の改正対象外とされていますが、現在でも保険募集の基本として重要です。相談時には、担当者がどの保険会社の商品を扱えるのか、自分の希望がどのように反映されたのかを確認しましょう。
比較表は、安い商品を探すためだけのものではありません。自分の家計に合わない保障を外し、必要な保障を残すための道具として使うと判断しやすくなります。
比較表サンプル:定期保険・終身保険・収入保障保険の見分け方
死亡保障を比べるときは、定期保険、終身保険、収入保障保険を同じ「死亡保険」として一列に並べるだけでは不十分です。役割が違うため、比較表には目的欄を入れると見やすくなります。
| 種類 | 主な役割 | 向いているケース | 比較表で見る項目 |
|---|---|---|---|
| 定期保険 | 一定期間の死亡保障を大きく確保する | 子どもが独立するまで、住宅ローン返済中など | 保険期間、更新有無、死亡保険金、更新後保険料 |
| 終身保険 | 一生涯の死亡保障と解約返戻金を持つ | 葬儀費用、相続対策、長期の保障 | 払込期間、解約返戻金、予定利率、途中解約リスク |
| 収入保障保険 | 毎月の生活費のように死亡保険金を受け取る | 子育て世帯の生活費補填 | 月額給付、最低保証期間、受取総額、保険期間 |
| 医療保険 | 入院・手術などの医療費に備える | 高額療養費制度後の自己負担や差額ベッド代が不安 | 入院日額、一時金、手術給付、先進医療、通院保障 |
| がん保険 | がん治療に伴うまとまった支出に備える | 通院治療、収入減、自由診療の一部が不安 | 診断一時金、複数回給付、抗がん剤治療、上皮内がんの扱い |
生命保険協会の(生命保険の動向 2025年版)では、2024年度末の個人保険の保有契約件数は1億9,530万件、保有契約高は778兆9,902億円とされています。医療保険の保有契約件数は4,545万件で、保障の中心が死亡保障だけでなく医療・がんなどへ広がっていることも読み取れます。比較表でも、死亡保障と医療保障を混ぜず、役割ごとに分けて見ることが大切です。
終身保険とNISAは同じ貯蓄枠として比べてよいですか?
終身保険の解約返戻金とNISAの運用額を比べて、増えそうなほうを選べばよいのでしょうか?
目的を分けて考えるのがおすすめです。死亡保障が必要なら保険、老後資金や教育資金の一部を育てるならNISAやiDeCoというように、守るお金と増やすお金を混ぜすぎないことが大切です。
保険種類ごとの「役割の違い」を先に決める
生命保険比較で迷いやすいのは、商品名が違っても目的が重なって見えるからです。死亡保険、医療保険、がん保険、個人年金保険、外貨建保険、変額保険などを一度に比較すると、どれが必要でどれが余分なのか判断しにくくなります。
おすすめは、比較表を作る前に役割を3つに分けることです。家族の生活を守る死亡保障、病気やけがの自己負担に備える医療・がん保障、将来資金を準備する貯蓄・運用の3つです。死亡保障が目的なら、解約返戻率よりも必要保障額と保障期間を優先します。医療保障が目的なら、入院日額だけでなく一時金や通院治療への対応を確認します。貯蓄性が目的なら、途中解約時の返戻金、為替リスク、運用リスク、税金まで見ます。
NISA・iDeCoと生命保険を混ぜて考えない
2026年時点では、NISAやiDeCoを活用した資産形成への関心が高く、貯蓄型保険と投資制度を比べたい人も増えています。ただし、NISAは投資であり、生命保険は保障です。目的が違うため、「どちらが得か」だけで結論を出すと判断を誤ることがあります。
金融庁の資料では、NISAはつみたて投資枠が年間120万円、成長投資枠が年間240万円、合計の非課税保有限度額が1,800万円と説明されています。また、投資には元本割れのリスクがあり、長期・積立・分散の考え方が重要とされています。詳しくは( NISAを利用する皆さまへ)で確認できます。
保険で考えるべきなのは、万一のときに家族が困らないかです。NISAやiDeCoで考えるべきなのは、教育費、老後資金、住宅関連費などをどの期間で準備するかです。家計に余裕がない時期に、保険料と投資積立をどちらも増やしすぎると固定費が重くなります。まずは生活防衛資金を確保し、そのうえで保険と資産形成の配分を決めましょう。
相談前に準備したいもの
- 1現在加入している保険証券、契約内容のお知らせ、保険会社アプリの契約画面を用意します。
- 2毎月の保険料、住宅ローン、家賃、教育費、通信費などの固定費をざっくり書き出します。
- 3配偶者の収入、勤務先の死亡退職金や弔慰金、団体保険の有無を確認します。
- 4遺族年金の見込み、住宅ローンの団体信用生命保険、預貯金の残高を整理します。
- 5NISAやiDeCoの積立額を含め、毎月いくらまでなら無理なく続けられるかを決めておきます。
- 6比較表で気になった商品について、候補に入った理由と外れた商品の理由を質問できるようにします。
よくある落とし穴:同じ保険金額でも中身は違う
生命保険比較表でよくある落とし穴は、同じ死亡保険金でも保障期間が違うケースです。たとえば、死亡保険金2,000万円でも、10年更新の定期保険と60歳満了の定期保険では、将来の保険料負担が変わります。10年更新型は当初の保険料が抑えられる一方、更新時の年齢で保険料が上がることがあります。
医療保険では、入院日額だけを見て、一時金や通院保障を見落としがちです。近年は入院日数が短くなる一方で、通院治療や収入減への備えが課題になることもあります。がん保険では、診断一時金が初回だけなのか、複数回受け取れるのか、上皮内がんが対象かどうかを確認しましょう。
終身保険では返戻率だけを見て途中解約リスクを軽視しないことが重要です。短期間で解約すると、解約返戻金が払込保険料を下回ることがあります。外貨建保険や変額保険では、為替や運用成果によって受取額が変動するため、元本保証の預金とは違うものとして比較しましょう。
生命保険料控除は「節税目的」だけで加入しない
生命保険料控除も比較表に入れておきたい項目です。2026年9月時点では、23歳未満の扶養親族がいる場合、新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、所得税の控除限度額が6万円となる特例が2026年分・2027年分に適用されることが示されています。一方で、一般生命保険料控除、介護医療保険料控除、個人年金保険料控除の合計適用限度額は12万円のままです。国税庁の(源泉所得税の改正のあらまし)でも確認できます。
ただし、控除があるからといって不要な保険に入る必要はありません。控除で戻る税額より、長期間払い続ける保険料のほうが大きいことが多いからです。比較表では、年間保険料、控除区分、控除後の実質負担を並べつつ、保障として本当に必要かを先に確認しましょう。
保険は、税金で少し得をするためではなく、家族が困る場面を減らすためにあります。控除や返戻率は、必要な保障を決めた後に確認するくらいがちょうどよいです。
比較表で迷ったら、質問を持って相談する
生命保険の比較表は、自分だけで完璧に作る必要はありません。むしろ、最初から商品名を絞り込みすぎるより、必要保障額、保障期間、家計の固定費、NISA・iDeCoとの積立配分を整理してから相談したほうが、納得感のある見直しにつながります。
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まとめ:重要ポイント
- 1生命保険比較表は、月額保険料だけでなく、必要保障額、保障期間、給付条件をそろえて見ることが大切です。
- 22028年3月1日から比較推奨販売に関する新しいルールが施行・適用予定で、読者側も提案理由を質問する意識が重要になります。
- 3定期保険、終身保険、収入保障保険、医療保険、がん保険は役割が違うため、同じ表に並べる場合も目的欄を分けて確認しましょう。
- 4NISA・iDeCoは資産形成、生命保険は保障と分けて考え、家計の固定費が重くなりすぎない配分にすることが大切です。
- 5生命保険料控除は参考になりますが、節税目的だけで加入せず、必要な保障を決めた後に確認しましょう。
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