【2026年9月更新】終身保険ランキング前の見方|予定利率2.25%の3基準
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

終身保険ランキング
予定利率2.25%
一時払い終身保険
解約返戻金
生命保険料控除
NISA
個人向け国債
目次
ランキングを見る前に、まず確認したいこと
2026年9月時点で、終身保険を探す人の関心は「人気商品はどれか」だけでなく、「金利上昇で貯蓄性が戻ってきたのか」にも広がっています。特に一部の円建て一時払い終身保険で予定利率2.25%への引き上げが公表され、ランキング上位の商品をそのまま選んでよいのか迷う人も増えています。
ただし、終身保険ランキングは入口として便利な一方、家族構成、相続対策、解約予定の有無、NISAや預金との配分によって「合う商品」は変わります。この記事では、ランキングを見る前に押さえたい3つの基準を、保険初心者にもわかりやすく整理します。
ランキング前に見る3基準
- 1予定利率2.25%が、自分の検討している商品と契約時期に本当に適用されるか確認します。
- 2死亡保障を一生涯持つ目的なのか、相続対策や資金の置き場所として使う目的なのかを分けて考えます。
- 3解約返戻金、税金、NISAや個人向け国債との違いを見て、途中で使う可能性のあるお金を入れすぎないようにします。
- 4人気順位ではなく、保険料、保障額、払込方法、流動性を自分の家計に合わせて比較します。
予定利率2.25%が注目される理由
2026年の終身保険選びで注目されているのが、円建て一時払い終身保険の予定利率引き上げです。住友生命は2026年6月25日、一時払い終身保険の予定利率を2026年7月1日から1.75%から2.25%へ改定すると公表しました。
同発表の契約例では、60歳・保険金額1,000万円の終身保険(一時払い)で、男性の一時払保険料は7,313,100円から6,631,900円へ、女性は6,816,200円から6,051,500円へ下がる例が示されています。金利上昇が保険料や保障額に影響し始めていることは確かですが、予定利率2.25%は「預けたお金が年2.25%でそのまま増える」という意味ではありません。保険料計算に使う前提利率であり、実際の返戻率や手取りは商品設計、年齢、性別、契約期間、税金によって変わります。
予定利率が高いならランキング上位を選べばよい?
予定利率2.25%の商品があるなら、ランキングで上位の商品を選べば安心ですか?
ランキングは参考になりますが、それだけで決めるのは早いです。予定利率が同じでも、死亡保険金、解約返戻金、保険コスト、相続での使いやすさは商品ごとに違います。まずは何のために終身保険を持つのかを決めましょう。
基準1:予定利率と実質利回りを混同しない
終身保険の予定利率は、保険会社が将来の運用収益を見込んで保険料を計算するときに使う利率です。預金金利や投資信託の利回りとは性質が違います。
たとえば、一時払い終身保険では、契約直後に解約すると元本割れするケースがあります。これは、保険会社が死亡保障を一生涯提供するための費用や契約初期のコストを見込んでいるためです。つまり、予定利率が高くても、短期間で使う予定のお金を入れると不利になりやすいのです。
ランキングを見るときは、解約返戻金が何年後にいくらになるのか、死亡保険金はいくらか、税引後の手取りはどうなるのかをセットで確認しましょう。できれば「3年後、5年後、10年後に解約した場合」と「死亡保険金として家族が受け取る場合」を同じ表で比べると、利率だけでは見えない違いに気づきやすくなります。
終身保険は、利率だけで選ぶ商品ではなく、家族に残すお金の形を決める商品です。
基準2:通常の終身保険と一時払い終身保険を分けて見る
終身保険ランキングには、毎月保険料を払うタイプと、まとまった資金を一度に払う一時払いタイプが混在していることがあります。ここを分けずに見ると、比較を誤りやすくなります。
毎月払いの終身保険は、若いうちから死亡保障を準備しながら、将来の解約返戻金も見込める仕組みです。一方、一時払い終身保険は、退職金や預貯金の一部を使い、死亡保険金の非課税枠や相続時の受取人指定を意識して検討されることが多い商品です。
終身保険は今も多くの人が利用している一方、30代・40代の子育て世帯が「万一の保障」を目的に見るランキングと、60代以降が「相続や資金承継」を目的に見るランキングでは、見るべき項目が違います。
ランキング表で比較したい項目
- 1保険料に対して、死亡保険金がいくら確保できるかを確認します。
- 2解約返戻率だけでなく、元本割れする期間がどれくらい続くかを見ます。
- 3円建て、外貨建て、変額タイプの違いを確認し、為替リスクや運用リスクを分けて考えます。
- 4生命保険料控除や死亡保険金の非課税枠など、税制上の扱いを確認します。
- 5途中で教育費、住宅費、介護費に使う可能性がある資金を入れすぎないようにします。
基準3:終身保険の目的を保障・相続・運用に分ける
終身保険は「保障」「相続」「運用」の3つの目的で語られがちですが、1つの商品ですべてを完璧に満たすのは難しいものです。
保障目的なら、必要保障額を先に計算することが大切です。子育て世帯であれば、配偶者の生活費、子どもの教育費、住宅ローンの有無、遺族年金を踏まえて、終身保険だけでなく定期保険や収入保障保険も比較対象になります。死亡保障を大きく持つ必要がある時期は、終身保険だけで備えると保険料が重くなりやすいためです。
相続目的なら、死亡保険金の受取人を指定できる点や、相続税の非課税枠を使える可能性がメリットになります。運用目的なら、NISA、iDeCo、個人向け国債、定期預金との比較が欠かせません。値動きのリスクを取れるお金はNISA、死亡保障や相続時の資金整理を重視するお金は終身保険、というように役割を分けると考えやすくなります。
NISAと終身保険はどちらを優先すべき?
NISAも使いたいのですが、予定利率が上がった終身保険を優先したほうがいいですか?
目的で分けるのがおすすめです。NISAは値動きのある資産形成、終身保険は死亡保障や相続時の資金設計に向いています。教育費や老後資金など、いつ使うお金かを整理してから配分を決めましょう。
生命保険料控除だけで決めないほうがよい理由
終身保険を検討するとき、生命保険料控除も気になるポイントです。保険料を支払うことで所得控除の対象になる可能性がありますが、控除額には上限があります。節税額だけを理由に高い保険料を払うと、家計の自由度が下がることがあります。
注意したいのは、一時払生命保険については控除適用の扱いを必ず確認すべき点です。控除はあくまで支払った保険料の一部が税金計算上考慮される仕組みで、保険料そのものが戻るわけではありません。控除、保障、返戻金、家計のキャッシュフローを一緒に見ることが大切です。
税金で少し得をするかより、無理なく続けられる保障設計かどうかを先に見たほうが、家計は安定しやすくなります。
外貨建てや変額終身保険はランキングの見方が変わる
終身保険ランキングでは、円建てだけでなく外貨建てや変額タイプが並ぶこともあります。外貨建て終身保険は、米ドルなどの外貨で保険金や解約返戻金が決まるため、予定利率が高く見えても、円で受け取る金額は為替に左右されます。円安のときに受け取れば有利に見える一方、円高になると円換算の受取額が想定より少なくなることがあります。
変額終身保険は、特別勘定と呼ばれる運用成果によって解約返戻金などが変動します。死亡保険金に最低保証がある商品もありますが、解約時の金額は元本保証ではないケースが一般的です。
ランキング上位でも、円建て一時払い終身保険、外貨建て終身保険、変額終身保険ではリスクの種類が違います。比較表を見るときは、同じ土俵の商品同士で比べることが重要です。
個人向け国債や預金と比べるときの注意点
金利上昇局面では、終身保険だけでなく個人向け国債や定期預金も比較対象になります。個人向け国債や預金は比較的流動性を確認しやすい一方、終身保険には死亡保障や受取人指定の機能があります。
ただし、終身保険は早期解約で元本割れしやすい商品もあります。つまり、近いうちに使う可能性がある生活防衛資金まで終身保険に入れるのは避けたほうが安心です。目的別に、すぐ使うお金、数年後に使うお金、長く置いておけるお金を分けて考えましょう。
相談前に整理しておくと失敗しにくい情報
終身保険のランキングを見る前に、自分の家計情報を少し整理しておくと、商品の違いが見えやすくなります。具体的には、現在の預貯金、NISAやiDeCoの利用状況、既契約の保険証券、住宅ローン、教育費の予定、相続で誰にお金を残したいかを確認しておきましょう。
既に終身保険に加入している人は、予定利率が上がったからといってすぐに解約するのは注意が必要です。昔の契約には高い予定利率が適用されている場合もありますし、解約すると元に戻せない保障もあります。保険の見直しは、新しく入る商品だけでなく、今ある契約をどう活かすかまで含めて考えるのが安全です。
迷ったときは、まず「この商品が良いか」ではなく、「自分は何のために終身保険を検討しているのか」を言語化するところから始めましょう。
まとめ:重要ポイント
- 1予定利率2.25%は注目材料ですが、預金金利のようにそのまま増える利回りではありません。
- 2ランキングを見る前に、通常の終身保険と一時払い終身保険を分けて比較することが大切です。
- 3保障、相続、運用のどれを目的にするかで、選ぶべき商品や比較対象は変わります。
- 4NISA、iDeCo、個人向け国債、預金との配分まで含めて、家計全体で判断しましょう。
- 5既契約の終身保険は、解約前に予定利率や返戻金、保障内容を必ず確認しましょう。
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終身保険ランキングを見ても、自分に合う商品かどうかは家計、相続、NISAの利用状況で変わります。まず悩みを整理し、必要に応じて専門家に相談すると判断しやすくなります。
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