【2026年7月更新】生命保険料は上がる?|標準生命表と見直し3基準
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

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更新型保険
貯蓄型保険
NISA 保険
目次
生命保険料は本当に上がるのか、まず結論
2026年7月時点で「生命保険料が一律に上がる」とは言い切れません。保険料に影響する主な要素は、死亡率の前提になる 標準生命表 、運用利回りの前提になる予定利率、そして契約者本人の年齢や保障内容です。
いま目立つのは、標準生命表の改定による一斉値上げではなく、国内金利の上昇を受けた貯蓄性商品の予定利率見直しです。円建ての一時払い型商品などで予定利率を引き上げる例が出る一方、医療保険や更新型の定期保険では、給付実績や更新時年齢によって負担感が増すことがあります。
この記事では「生命保険料が上がるらしい」というニュースを、自分の保険にどう当てはめればよいかを3つの基準で整理します。
この記事で確認する3つの見直し基準
- 1標準生命表の改定が、自分の保険料に直結する商品かを確認します。
- 2予定利率の上昇が、保険料や返戻率にどう影響するかを見ます。
- 3既契約をすぐ解約せず、保障額・保険期間・更新時期から見直します。
標準生命表とは、保険料計算の土台になる死亡率の表
標準生命表とは、生命保険会社が責任準備金などを計算する際に使う死亡率の基準です。簡単にいえば「年齢ごとに、どれくらいの確率で死亡するか」を整理した表で、死亡保険、年金保険、医療保険などの保険料設計に影響します。
日本アクチュアリー会は2025年12月に、2026年度の標準生命表について、死亡保険、第三分野保険、年金開始後に適用する各標準生命表を引き続き適用することが適当だと公表しています。詳しくは(標準生命表の水準の妥当性について)で確認できます。
つまり、2026年7月時点では、標準生命表そのものが新しくなったことで生命保険料が一斉に変わる局面ではありません。値上げ・値下げの話は、保険種類や加入時期、更新の有無に分けて見る必要があります。
今入っている生命保険の保険料も上がりますか?
標準生命表や予定利率のニュースを見ると、今の生命保険料も急に上がるのか不安です。
平準払いで契約した終身保険や全期型の定期保険は、契約時に決まった保険料が続くのが基本です。ただし、更新型の定期保険や一部の医療保険は、更新時の年齢に応じて保険料が上がることがあります。まずは保険証券の「更新」「保険期間」「払込期間」を確認しましょう。
2026年のポイントは標準生命表より予定利率
2026年7月の生命保険料を考えるうえで、標準生命表以上に注目したいのが 予定利率 です。予定利率とは、保険会社が保険料を運用して得られる利回りをあらかじめ見込む考え方です。一般に予定利率が上がると、同じ保障を用意するために必要な保険料は下がりやすく、貯蓄型保険では返戻率が改善しやすくなります。
実際に、2026年夏に向けて、主要な生命保険会社の円建て一時払い型商品で予定利率を引き上げる公表例が出ています。たとえば「1.75%から2.25%へ」といった改定は、貯蓄性保険を検討している人には重要な変化です。
ただし、これは「すべての生命保険料が安くなる」という意味ではありません。予定利率の影響を受けやすいのは、終身保険、養老保険、個人年金保険など、貯蓄性のある商品が中心です。医療保険やがん保険では、死亡率や金利よりも、入院・手術・通院などの給付実績が大きく影響する場合があります。
生命保険料のニュースは、全商品に当てはめるよりも、自分が持っている保険の種類に分けて読むことが大切です。
商品別に見る保険料への影響
定期保険や収入保障保険は、死亡保障を一定期間だけ持つ商品です。死亡率の前提が下がれば新規契約の保険料は下がる方向に働きますが、更新型であれば更新時の年齢上昇による保険料アップのほうが家計に大きく響くことがあります。
終身保険や養老保険、個人年金保険は、予定利率の影響を受けやすい商品です。予定利率が上がると保険料や返戻率に有利に働くことがありますが、早期解約では元本割れしやすく、預金やNISAのようにすぐ使えるお金ではない点に注意が必要です。
医療保険やがん保険は、死亡率だけでは判断できません。生命保険協会の(生命保険の動向 2025年版)では、2024年度末の医療保険の保有契約件数は4,545万件で、継続して増加しています。第三分野の保有契約年換算保険料も7.3兆円規模となっており、医療保障のニーズが高い状態が続いていることがわかります。
標準生命表で保険料が下がるケース、上がるケース
標準生命表で死亡率が下がると、死亡保険では保険金を支払う確率が下がるため、新規契約の保険料が下がる方向に働きます。2018年の改定時には、定期保険や収入保障保険などで保険料引き下げの動きが見られました。
一方で、年金保険では長生きする人が増えるほど、保険会社が年金を支払う期間が長くなるため、保険料が上がる方向に働くことがあります。死亡率の改善は、死亡保険にとっては保険料を下げる要因になり得ますが、年金保険にとっては支払期間が長くなるリスクでもあります。
医療保険やがん保険は、標準生命表だけで保険料が決まるわけではありません。医療技術の変化、入院日数の短期化、通院治療の増加、給付金の支払い状況なども保険料に反映されます。
保険料が上がるかどうかより、いまの保障が家計とライフプランに合っているかを先に確認しましょう。
基準1:更新型か、全期型かを確認する
まず見るべきは、いまの契約が 更新型 かどうかです。更新型は10年ごと、15年ごとなど一定期間で契約を更新するタイプで、更新時にはその時点の年齢で保険料が再計算されます。そのため、標準生命表や予定利率の話とは別に、年齢が上がった分だけ保険料が大きく上がることがあります。
一方、全期型は60歳まで、65歳までなど保険期間全体の保険料が契約時に決まるタイプです。若いうちは更新型より高く見えることもありますが、長く持つほど保険料の見通しは立てやすくなります。
子育て世帯なら、必要保障額が大きい時期だけ定期保険や収入保障保険で厚く備え、教育費の山を越えたら保障額を下げる方法もあります。反対に、老後まで医療保障を持ちたい場合は、更新のたびに保険料が上がらない設計かを確認しておくと安心です。
保険料が上がる前に入り直したほうが得ですか?
予定利率が上がっているなら、いまの終身保険を解約して入り直したほうがいいのでしょうか。
すぐに解約はおすすめしません。解約返戻金、健康状態、加入年齢、払込済み保険料、必要保障額を比べる必要があります。予定利率だけで入り直すと、健康告知で条件が付いたり、保障が途切れたりする可能性があります。
基準2:貯蓄型保険は返戻率だけで判断しない
予定利率の上昇で注目されやすいのが、終身保険、養老保険、個人年金保険などの貯蓄型保険です。返戻率が改善すると魅力的に見えますが、NISAやiDeCoと同じ「資産運用商品」として単純比較するのは注意が必要です。
貯蓄型保険には、死亡保障、契約者貸付、相続時の死亡保険金非課税枠など、保険ならではの役割があります。一方で、早期解約では元本割れしやすく、まとまったお金を長く固定することになります。
教育費や住宅ローン、生活防衛資金が不足している家庭では、返戻率の高さよりも流動性を優先したほうがよいケースもあります。返戻率が上がったときほど、「保険で守るお金」と「NISAなどで増やすお金」を分けて考えましょう。
基準3:死亡保障は必要額から逆算する
生命保険料を見直すときは「安い・高い」ではなく、 必要保障額 から逆算することが重要です。必要保障額は、遺族の生活費、住居費、教育費、葬儀費用から、遺族年金、勤務先の弔慰金、預貯金、NISAなどの金融資産を差し引いて考えます。
特に子育て世帯では、子どもの年齢が上がるほど必要保障額は少しずつ減っていきます。30代で大きな死亡保障が必要でも、50代で同じ保障額が必要とは限りません。
生命保険協会の統計では、2024年度末の個人保険の保有契約件数は1億9,530万件と17年連続で増加しました。一方で、保有契約高は778兆9,902億円と前年度比で減少しており、死亡保障を抑えながら医療保障などを充実させる流れがうかがえます。保険料が上がるニュースをきっかけに、保障を増やすよりも「減らせる保障がないか」を確認することも家計改善につながります。
見直し前に確認したいチェック項目
- 1保険証券で、保険種類、保険金額、保険期間、払込期間を確認します。
- 2更新型の場合は、次回更新時期と更新後保険料の目安を確認します。
- 3貯蓄型保険は、解約返戻金と払込済み保険料を比べてから判断します。
- 4今後5年以内の教育費、住宅購入、車の買い替え、介護予定を書き出します。
- 5新しい保険に申し込む前に、健康告知や保障が途切れる期間の有無を確認します。
公的データで見る長生きと保険の関係
厚生労働省の(令和6年簡易生命表の概況)では、日本人の平均寿命や年齢別の死亡状況が公表されています。長生きが進むほど、死亡保険の前提だけでなく、老後資金、医療費、介護費の準備もセットで考える必要があります。
また、生命保険文化センターの(2024年度「生命保険に関する全国実態調査」)では、世帯の年間払込保険料、加入目的、解約・失効理由、老後や介護への備えなどが調査されています。自分の保険料が高いか低いかを見るときは、平均との比較だけでなく、家族構成と必要保障額に合っているかを確認することが大切です。
生命保険料の見直しは保険単体で完結しません。死亡保障を下げて浮いた保険料をNISAに回す、医療保障を絞って生活防衛資金を厚くする、個人年金保険とiDeCoの税制優遇を比較するなど、家計全体で配分を決めましょう。
解約より先に、比較表を作る
保険料が上がるかもしれないと聞くと、急いで契約したくなるかもしれません。しかし、焦って新しい保険に入る、古い保険を解約する、勧められた貯蓄型保険に一括で資金を入れる、といった判断は避けたいところです。
おすすめは、いまの契約と検討中の契約を同じ表に並べることです。月額保険料、保障額、保険期間、払込期間、解約返戻金、更新の有無、特約、健康告知の条件を横並びにすると、予定利率や保険料だけでは見えない違いがわかります。
特に、過去に加入した契約には、現在では同じ条件で入りにくい保障が含まれていることもあります。 解約より先に比較 し、必要であれば一部減額、特約解約、払済保険への変更なども含めて検討しましょう。
まとめ:重要ポイント
- 12026年7月時点では、標準生命表の変更で生命保険料が一斉に上がる状況ではありません。
- 2予定利率の上昇は、終身保険や個人年金保険など貯蓄性商品の保険料・返戻率に影響します。
- 3既契約の保険料は原則として契約時条件が続きますが、更新型は更新時年齢で上がりやすくなります。
- 4見直しでは、死亡保障の必要額、NISA・iDeCo、生活防衛資金をまとめて考えるのが実践的です。
- 5解約や入り直しは、健康状態、解約返戻金、保障空白を確認してから判断しましょう。
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