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【2026年5月更新】厚生年金上限引き上げ|高年収会社員の保険3基準

更新:
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
執筆者河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
【2026年5月更新】厚生年金上限引き上げ|高年収会社員の保険3基準
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厚生年金上限引き上げは、給与明細と保険を見直す合図

2027年9月から、厚生年金の標準報酬月額の上限が段階的に引き上げられます。対象になりやすいのは、毎月の給与が現在の上限である65万円を超える会社員です。
「また社会保険料が増えるのか」と感じる方もいるかもしれません。ただ、この改正は手取りが減るだけでなく、将来の老齢厚生年金や、万一のときの遺族厚生年金の計算にも影響し得ます。つまり、単なる負担増ではなく、 厚生年金上限引き上げ をきっかけに、生命保険・投資・税金をまとめて点検するタイミングです。
この記事では、月給65万円超、年収900万円前後以上の会社員が確認したい生命保険の3基準を、給与明細で見られる数字に落とし込んで整理します。

この記事で確認できること

  • 1
    自分が厚生年金上限引き上げの影響を受ける可能性があるかを、給与明細から確認できます。
  • 2
    本人負担の厚生年金保険料が、段階的にどのくらい増えるかを概算できます。
  • 3
    公的年金が増える可能性を踏まえ、死亡保障をすぐ減らしてよいかを判断できます。
  • 4
    手取り減を、保険料の減額や特約整理で吸収できるかを点検できます。
  • 5
    NISA、iDeCo、個人年金保険の優先順位を、流動性と税制面から整理できます。

まず対象者を確認:月給65万円超でも全員が同じ影響ではない

厚生労働省の説明では、厚生年金等の標準報酬月額の上限は、現在の65万円から2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円へ引き上げられます。詳しい制度内容は、厚生労働省の(厚生年金等の標準報酬月額の上限の段階的引上げについて)で確認できます。
ここでいう標準報酬月額とは、毎月の給与を一定の幅で区切った、社会保険料や年金額の計算に使う金額です。日本年金機構の説明では、基本給だけでなく、残業手当、役職手当、通勤手当などを含めた税引き前の給与をもとに決まります。毎年4月から6月の報酬をもとに、原則9月から改定される点も押さえておきたいところです。
注意したいのは、年収が高くても「月給は65万円以下で、賞与が大きい」人は、今回の月額上限引き上げの影響が限定的な場合があることです。賞与には別途、標準賞与額の上限があり、今回の話は主に毎月の標準報酬月額の上限に関するものです。

年収900万円なら必ず保険料が増えますか?

年収900万円くらいです。厚生年金の上限引き上げで、必ず手取りが減ると思っておいた方がいいですか?
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
必ずではありません。月給が65万円を超えているか、賞与に寄っているかで影響が変わります。給与明細の「標準報酬月額」や、社会保険料欄の厚生年金保険料を確認しましょう。月給部分が上限に張り付いている人ほど、今回の影響を受けやすくなります。

保険料はいくら増える?上限引き上げの早見表

厚生年金保険料率は18.3%で固定されており、会社と本人が半分ずつ負担します。本人負担は原則9.15%です。日本年金機構の(厚生年金保険の保険料)でも、保険料率や標準報酬月額の考え方が説明されています。
時期標準報酬月額の上限本人負担の厚生年金保険料現行65万円との差
現行65万円59,475円-
2027年9月68万円62,220円2,745円増
2028年9月71万円64,965円5,490円増
2029年9月75万円68,625円9,150円増
月給75万円以上の人で見ると、2029年9月以降は本人負担が月約9,100円、年約11万円増える計算です。ただし、増えた社会保険料は所得税・住民税の社会保険料控除の対象になります。厚生労働省は、社会保険料控除を考慮した手取りへの影響を月約6,100円と試算しています。実際の手取り減は、年収、扶養、住民税、会社の給与計算によって変わります。
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
厚生年金の上限引き上げは、毎月の負担だけを見ると痛みがあります。ただ、将来の公的年金や家族の保障にも関わるため、生命保険を減らす前に家計全体で見直すことが大切です。

基準1:必要保障額は遺族年金と勤務先保障を入れて再計算する

最初に見直したいのは、死亡保障の金額です。高年収会社員は収入が高いぶん、住宅ローン、教育費、生活費の水準も高くなりやすく、「公的年金があるから生命保険はいらない」と単純には言えません。
一方で、厚生年金に加入している会社員が亡くなった場合、家族構成などに応じて遺族厚生年金の対象になることがあります。住宅ローンを組んでいる人は、団体信用生命保険でローン残高がなくなる可能性もあります。勤務先によっては、死亡退職金、弔慰金、企業年金、福利厚生の上乗せがある場合もあります。
必要保障額は、ざっくり言えば「遺族に必要な支出」から「入ってくるお金」を差し引いた不足額です。たとえば、子どもが2人いて教育費と生活費で今後6,000万円必要、遺族年金・配偶者の収入・貯蓄・勤務先保障で4,000万円見込めるなら、不足額は2,000万円です。この不足額を定期保険や収入保障保険で埋めるのが基本になります。

必要保障額を出すために集めたい書類

  • 1
    直近の給与明細を用意し、標準報酬月額や厚生年金保険料を確認します。
  • 2
    ねんきん定期便やねんきんネットで、これまでの加入記録と将来見込みを確認します。
  • 3
    保険証券を並べ、死亡保険金、収入保障保険、医療特約、払込期間を一覧化します。
  • 4
    住宅ローン契約書で、団体信用生命保険の保障範囲と残債を確認します。
  • 5
    勤務先の福利厚生規程で、死亡退職金、弔慰金、企業年金の有無を確認します。

基準2:手取り減は、保険料の固定費で吸収できるかを見る

次に見るのは、毎月の保険料です。生命保険文化センターの2024年度調査では、2人以上世帯の生命保険加入率は89.2%、世帯年間払込保険料は平均35.3万円でした。また、普通死亡保険金額は平均1,936万円で、低下傾向が続いています。詳しくは(生命保険に関する全国実態調査)で確認できます。
高年収世帯では、保険料を払えるために、貯蓄型保険、医療保険、がん保険、就業不能保険、外貨建て保険などが積み上がっていることがあります。月5万円の保険料を払っている家庭なら、厚生年金の手取り減が月6,000円前後になっても、保険の一部を見直すだけで吸収できる可能性があります。
ただし、解約を急ぐのは避けましょう。貯蓄型保険は、解約返戻金が払込保険料を下回る時期があります。健康状態が変わっている人は、解約後に同じ条件で入り直せないこともあります。選択肢は解約だけではありません。保険金額の減額、払済保険への変更、不要な特約の削除、更新型から掛け捨て型への切り替えなどを比較してから判断しましょう。

貯蓄型保険を解約してNISAに回すべきですか?

厚生年金保険料が増えるなら、貯蓄型保険を解約してNISAに回した方が効率的でしょうか?
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
効率だけならNISAが有利に見える場面はありますが、保障が消える点と解約返戻金の損益は必ず確認してください。教育費や住宅費が近い家庭は、流動性の高い現金も必要です。保険、NISA、iDeCoを同じ土俵で比べず、目的ごとに分けるのがおすすめです。

基準3:NISA・iDeCo・個人年金保険は役割で分ける

厚生年金の上限引き上げによって、将来の公的年金が増える可能性はあります。ただし、それだけで老後資金、教育費、住宅ローン、早期退職、介護費用まで解決するわけではありません。老後資金づくりは、制度ごとの役割を分けて考える必要があります。
NISAは、運用益が非課税になる制度です。金融庁の(NISAを知る)では、2024年からのNISAについて、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、合計で年360万円まで利用でき、生涯の非課税保有限度額は1,800万円と説明されています。売却すれば現金化しやすいため、教育費や住宅費など、時期が読みにくい支出にも比較的対応しやすいのが特徴です。
iDeCoは、掛金が全額所得控除になる一方で、原則60歳まで引き出せません。2026年12月からは、会社員など第2号被保険者の拠出限度額が、企業年金等との合計で月6.2万円へ拡充される予定です。厚生労働省の(私的年金制度、iDeCoの改正のポイント)でも、加入可能年齢の引き上げや限度額拡充が示されています。
個人年金保険は、保険会社と契約して将来の年金原資を準備する商品です。定額型、外貨建て、変額型などでリスクが異なり、途中解約時の元本割れや為替リスクがあるものもあります。生命保険料控除を使える場合がありますが、税制優遇だけで選ぶのではなく、流動性、手数料、保障の有無を確認しましょう。
河又 翔平 (保有募集人資格:一般課程・専門課程・変額課程)
高年収会社員ほど、保険料を払えるかではなく、家族を守る保障、税金、投資に回す余力のバランスで見直すことが重要です。

給与明細で見るべき3カ所

今回の改正に備えるなら、最初に見るのは給与明細です。確認したいのは、支給欄の基本給・手当、控除欄の厚生年金保険料、そして会社が表示している場合の標準報酬月額です。
標準報酬月額がすでに65万円になっている人は、上限引き上げの影響を受ける可能性が高い層です。今後、68万円、71万円、75万円へ上限が上がるにつれて、月給がその水準以上であれば厚生年金保険料が段階的に増えます。
一方、給与明細に標準報酬月額が書かれていない会社もあります。その場合は、厚生年金保険料額から逆算するか、勤務先の人事・給与担当に確認しましょう。日本年金機構の(厚生年金保険料額表)を見ると、現在の等級と保険料の関係を確認できます。

見直しの順番:保障を削る前に固定費を整える

生命保険の見直しは、保険料の高い契約から順に切る作業ではありません。まず、家族に残すべき死亡保障を計算し、そのうえで重複している保障や優先度の低い特約を外す順番が安全です。
たとえば、死亡保障が3,000万円必要な家庭で、定期保険2,000万円、勤務先保障500万円、団信で住宅ローン完済、預貯金500万円があるなら、大きく不足していない可能性があります。逆に、住宅ローンがなくても賃貸住まいで家賃負担が続く家庭や、配偶者がすぐ働けない家庭では、見た目の保険金額以上に保障が必要なこともあります。
保険証券、給与明細、ねんきん定期便を並べると、見直しの精度は大きく上がります。1つの保険商品だけで考えず、公的年金、勤務先制度、NISA、iDeCo、預貯金まで含めて家計全体で判断しましょう。

ほけんのAIでできる相談の進め方

「自分の標準報酬月額がいくらか分からない」「保険を減らしてよいか判断できない」という場合は、まず疑問を整理するところから始めましょう。
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まとめ:重要ポイント

  • 1
    標準報酬月額の上限は、2027年9月に68万円、2028年9月に71万円、2029年9月に75万円へ段階的に引き上げられます。
  • 2
    月給75万円以上の人は、本人負担の厚生年金保険料が現行より月約9,100円増える計算ですが、社会保険料控除後の手取り影響は人により異なります。
  • 3
    死亡保障は、公的な遺族年金、団信、勤務先保障、配偶者の収入を差し引いて不足額を確認してから見直します。
  • 4
    手取り減への対応は、保険の解約だけでなく、減額、払済、特約整理、更新内容の変更も含めて検討します。
  • 5
    老後資金は、厚生年金、NISA、iDeCo、個人年金保険の流動性と税制優遇を分けて考えることが大切です。

まずは無料オンラインFP相談で家計を棚卸し

厚生年金上限引き上げの影響は、月給、賞与、家族構成、住宅ローン、保険内容によって変わります。給与明細や保険証券を見ながら、必要保障額、保険料、NISA・iDeCoの優先順位を一緒に整理できるのがFP相談の利点です。ほけんのAIなら、AI相談で疑問を整理したうえで、無料オンラインFP相談へ進めます。自宅から相談でき、中立的な立場で比較しやすいので、まずはLINE登録から始めてみてください。

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