【2026年7月更新】個人年金保険ランキング|60代の手取り3基準
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

個人年金保険ランキング
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目次
ランキングを見る前に、60代は「受け取り方」で手取りが変わる
60代で 個人年金保険ランキング を見るとき、返戻率や人気順位だけで選ぶと、受け取り時の税金や家計の流動性で「思ったほど使えるお金が残らない」と感じることがあります。特に2026年7月時点では、国内金利の上昇を背景に円建て保険や一時払い商品の関心が続く一方、退職金・iDeCo・公的年金の受け取り時期まで含めた設計が欠かせません。
実際、生命保険協会の(生命保険の動向 2025年版)では、2024年度の個人年金保険の新規契約件数は149万件、前年度比112.5%と4年連続で増加しています。保有契約件数も2,006万件と8年ぶりに増加しました。ランキングは候補を探す入口として便利ですが、60代では「税金」「受取方法」「家計との相性」の3つで読み替えることが大切です。
60代が最初に確認したい3基準
- 1年金受取と一括受取で、所得税・住民税の扱いがどう変わるかを確認します。
- 2退職金やiDeCoの受け取り時期と重なり、同じ年の課税所得が増えすぎないかを見ます。
- 3公的年金、預貯金、NISA、医療・介護費の予定と合わせ、途中解約しにくい資金にしてよいかを判断します。
- 4ランキング上位の商品でも、外貨建て・変額・据置期間の違いでリスクと手取りが変わる点を比較します。
基準1:税金は「保険料を払った人」と「受け取る人」で決まる
個人年金保険の税金は、契約者名義だけでなく、実際に保険料を負担した人と年金受取人が誰かで変わります。国税庁の(保険契約者である本人が支払を受ける個人年金)でも、保険料の負担者と年金受取人が同じ場合は公的年金等以外の雑所得として所得税が課税され、異なる場合は年金を受け取る権利が贈与されたものとして贈与税の対象になると整理されています。
60代の夫婦では、夫が保険料を払って妻が年金を受け取る、親が子のために契約する、といった形が珍しくありません。家族のための契約でも、名義を軽く決めると受取開始時に思わぬ税金が出ることがあります。契約者、被保険者、年金受取人、保険料の支払口座は、必ずセットで確認しましょう。
ランキング上位なら税金面でも有利ですか?
個人年金保険ランキングで上位の商品なら、税金面でも有利と考えてよいですか?
ランキングは人気、資料請求数、返戻率などの目安で、税金の有利不利までは個別に反映されません。60代は退職金、公的年金、iDeCo、配偶者の収入まで含めて、税引後の手取りで比べることが大切です。
年金受取は雑所得、一括受取は一時所得が基本
保険料を負担した人と受取人が同じ場合、年金形式で毎年受け取る利益部分は 雑所得 として扱われます。国税庁の説明では、雑所得の金額は、その年に受け取った年金額から対応する払込保険料を差し引いて計算します。また、年金額から対応する保険料等を差し引いた残額が25万円以上の場合は、原則として所得税と復興特別所得税が源泉徴収されます。
一方、一括受取は原則として一時所得です。国税庁の(生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき)では、一時所得は受取額から払込保険料等を差し引き、さらに特別控除50万円を差し引いた金額の2分の1が課税対象になるとされています。ただし、同じ年に満期保険金や解約返戻金など他の一時所得がある場合は合算されるため、「一括なら必ず得」とは言い切れません。
60代の個人年金保険は、増やす商品というより、老後資金をいつ・誰が・どの税区分で受け取るかを整える道具として見ると判断しやすくなります。
iDeCo・退職金との重なりは2026年の重要論点
2026年時点で60代の資産設計を考えるなら、個人年金保険だけでなく iDeCoの受け取り と退職金の関係も外せません。iDeCoを一時金で受け取る場合は退職所得として扱われ、退職所得控除が関係します。2026年1月以降は、iDeCoの一時金を先に受け取った後に会社の退職金を受け取る場合、退職所得控除の調整期間が従来より長くなり、受取順によって手取りが変わりやすくなっています。制度変更の概要は楽天証券の(iDeCo改悪は本当?法改正のポイントと改善された点を解説)でも整理されています。
また、厚生労働省の(令和7年度税制改正に関する参考資料)では、iDeCoの拠出限度額引き上げや60歳以上70歳未満の一定層への加入対象拡大が示されています。個人年金保険そのものはiDeCoの退職所得控除とは別枠ですが、同じ年に大きな収入が集中すると、所得税・住民税だけでなく、国民健康保険料や介護保険料の負担感に影響することがあります。
基準2:ランキング比較では返戻率だけを見ない
個人年金保険ランキングでは、返戻率、予定利率、保険料、受取総額が目立ちます。もちろん返戻率は大切ですが、60代では「何年据え置くのか」「途中解約時に元本割れしないか」「円建てか外貨建てか」「定額か変額か」も同じくらい重要です。
金融庁の(2025年 保険モニタリングレポート)では、金利のある世界が広がる中で、終身保険や年金保険等において予定利率引き上げの動きが広がっていることが示されています。一方で、主要生命保険会社では一時払円建保険の販売が増えたものの、外貨建保険のマーケット縮小などにより一時払外貨建保険の販売は減少したともされています。金利上昇は追い風ですが、数年以内に使う予定の資金を長期の保険に入れると、解約控除や市場価格調整で手取りが減る可能性があります。
ランキングを見るときの実践チェック
- 1返戻率は、税引前ではなく税引後の手取りイメージで比較します。
- 2外貨建ては為替手数料、円換算時の元本割れ、受取時の為替水準を確認します。
- 3変額年金は運用成果で受取額が変わるため、最低保証の有無と費用を見ます。
- 4一時払いは生活防衛資金、医療費、介護費、住宅修繕費を残したうえで検討します。
- 5個人年金保険料控除を期待する場合は、税制適格特約と払込期間の条件を確認します。
基準3:家計との相性は「使う時期」から逆算する
60代の老後資金は、すべてを増やす資金として考えるより、使う時期ごとに分けると整理しやすくなります。近い時期に使う生活費や医療費は預貯金、10年以上使わない余裕資金はNISAなどの運用、毎年の受け取りで生活費を補いたい資金は個人年金保険、というように役割を分けます。
個人年金保険は、契約後すぐに自由に引き出せる商品ではありません。そのため、ランキングで魅力的に見えても、手元資金を減らしすぎると逆効果です。特に単身世帯、年金収入が少ない世帯、持病や介護の不安がある世帯は、契約後の現金残高を必ず確認しましょう。目安として、少なくとも生活費6か月から1年分に加え、近い将来の医療・住宅修繕費を別に残しておくと安心です。
NISAと個人年金保険はどちらを優先すべきですか?
60代ですが、NISAと個人年金保険のどちらを優先すべきか迷っています。
使う時期で分けるのがおすすめです。数年以内に使うお金は預貯金、値動きを受け入れられる余裕資金はNISA、毎年決まった受け取りで生活費を補いたいお金は個人年金保険という考え方が現実的です。
個人年金保険料控除は「適格特約」がポイント
個人年金保険には、一定の条件を満たすと個人年金保険料控除の対象になる契約があります。ポイントは、個人年金保険料税制適格特約が付いているかどうかです。一般的には、契約者と年金受取人が同じ、年金受取人が被保険者と同じ、保険料払込期間が10年以上、年金受取開始年齢や受取期間が一定条件を満たす、といった要件があります。
60代で一時払いを検討する場合、個人年金保険料控除の対象外になることがあります。控除を期待して契約したのに、実際には一般生命保険料控除の扱いになったり、控除効果が限定的だったりすることもあります。控除は「おまけ」ではなく契約条件で決まるため、設計書だけでなく、控除証明書の区分まで確認しておきましょう。
外貨建て・変額型は「ランキング上位」でも慎重に
外貨建て個人年金保険は、円建てより利率が高く見えることがあります。しかし、実際の手取りは為替レートに左右されます。受取時に円高になっていると、外貨ベースでは増えていても円換算で元本割れする可能性があります。さらに、為替手数料、解約控除、市場価格調整、保険関係費用なども確認が必要です。
変額個人年金保険は、運用成果によって将来の受取額が変わります。インフレ対策としての期待はありますが、運用リスクを取る商品です。60代では、生活費の柱にしすぎず、値動きに耐えられる余裕資金の範囲に限定することが大切です。販売資料の「期待リターン」だけでなく、悪いケースのシミュレーションも必ず見てください。
ランキングは候補を絞るための入口です。最終判断は、税引後の手取り、受け取り時期、家計の安全余力まで見てからで十分です。
60代に合う受取設計の例
たとえば、65歳で退職金を受け取り、66歳から公的年金を受給し、70歳から個人年金保険を10年確定で受け取る設計なら、老後前半の生活費を補いやすくなります。公的年金を繰下げる場合は、65歳から受給開始までの生活費を預貯金や個人年金でどう埋めるかがポイントになります。
一方、60代前半で退職金、iDeCo、個人年金保険の一括受取が重なると、その年だけ所得が膨らみやすくなります。配偶者がいる場合は、どちらが長生きしても生活費が足りるか、死亡保障や医療保障を残すべきかも見ます。個人年金保険ランキングだけでは、この家族単位のキャッシュフローまでは判断できません。
相談前に準備すると判断が早くなる資料
個人年金保険を比較する前に、ねんきん定期便、退職金の見込み額、iDeCoや企業型DCの残高、現在加入している生命保険の証券、預貯金とNISAの残高をそろえると、判断がかなり早くなります。家計簿がなくても、公的年金の見込み額、毎月の生活費、医療費や介護費の目安がわかれば十分です。
すでに個人年金保険に加入している人は、年金開始年齢、受取期間、年金額、解約返戻金、契約者・被保険者・受取人の名義を確認しましょう。税金の最終判断は税理士や税務署への確認が必要ですが、まずはFP相談で家計全体の受取時期を整理しておくと、税務相談の論点も明確になります。
まとめ:重要ポイント
- 160代の個人年金保険は、ランキング順位よりも税引後の手取りと受け取り時期が重要です。
- 2年金受取は雑所得、一括受取は一時所得が基本で、保険料負担者と受取人が違うと贈与税が関係する場合があります。
- 3退職金、iDeCo、公的年金、個人年金保険の受け取りが同じ年に集中しないように設計することが大切です。
- 4外貨建てや変額型は利率や期待リターンだけでなく、為替・運用・解約リスクまで確認しましょう。
- 5個人年金保険は、預貯金・NISA・医療保障と役割分担して考えると、老後資金の不安を整理しやすくなります。
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