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【2026年8月更新】就業不能保険|自営業の不足3基準

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山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年8月更新】就業不能保険|自営業の不足3基準
就業不能保険
自営業
フリーランス
生活費不足
傷病手当金
所得補償保険
高額療養費制度

自営業は「医療費」より先に生活費が止まりやすい

病気やケガで働けないとき、自営業・フリーランスの不安は入院費だけではありません。売上が止まり、家賃や教育費、事業用の家賃・通信費・外注費などの固定費は残ります。
会社員なら健康保険の傷病手当金が生活を下支えする場面がありますが、市区町村の国民健康保険に加入する自営業者は、同じ仕組みを前提にできないのが一般的です。だからこそ、 就業不能保険 は「入院したらいくら」ではなく、「働けない月に家計が何円不足するか」から考える必要があります。
2026年8月時点では、高額療養費制度も見直されています。医療費の自己負担を抑える制度はありますが、売上減そのものを補う制度ではありません。この記事では、自営業が就業不能保険を検討する前に見るべき3基準を、生活費・公的保障・保険で埋める金額の順に整理します。

まず確認したい3つの不足基準

  • 1
    生活費と事業固定費を分け、働けない月に最低いくら必要かを出します。
  • 2
    国民健康保険、高額療養費制度、障害基礎年金などで補える範囲を確認します。
  • 3
    貯蓄で耐えられる期間を計算し、足りない月額だけを保険で補うか検討します。
  • 4
    就業不能保険、所得補償保険、医療保険の役割を混同せず、目的別に使い分けます。
  • 5
    NISAやiDeCoへの積立は、休業時の現金不足を防ぐ資金を確保してから配分します。

基準1:生活費と事業固定費を分けて不足額を出す

最初に見るべきなのは、保険商品の保障額ではなく、 生活費と事業固定費 です。家計の生活費には、家賃・住宅ローン、食費、水道光熱費、教育費、通信費、保険料などが入ります。事業固定費には、事務所家賃、サーバー代、会計ソフト、リース料、最低限の外注費、広告の固定契約などが入ります。
ポイントは「売上が止まっても削れない支出」を残すことです。たとえば、生活費30万円、事業固定費10万円なら、毎月40万円が休業時の必要額です。配偶者の収入や一部の継続売上がある場合は差し引きますが、単発案件中心のフリーランスは、厳しめにゼロ売上で試算しておくほうが安全です。
なお、事業固定費をすべて保険で守る必要はありません。休業中に広告を止める、外注を一時停止する、サブスクを解約するなど、実際に減らせる支出を分けておくと、必要な保障月額を過大にしにくくなります。

医療保険だけで生活費不足は埋まりますか?

入院日額1万円の医療保険に入っています。働けない間の生活費もこれで足りますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
医療保険は主に治療費や入院中の雑費に備えるものです。生活費30万円、事業固定費10万円が毎月必要なら、入院日額だけでは足りない可能性があります。休業中の月次不足額を別に計算しましょう。

基準2:公的保障で埋まる範囲を確認する

次に、 公的保障で埋まる範囲 を確認します。2026年8月時点の高額療養費制度では、医療機関や薬局の窓口負担が一定額を超えると超過分が支給されます。厚生労働省の(高額療養費制度を利用される皆さまへ)では、令和8年8月からの制度において、70歳未満・年収約370万円〜約510万円の人が医療費100万円の治療を受けた場合、自己負担は約9.3万円まで抑えられる例が示されています。
ただし、高額療養費制度が守るのは主に医療費です。休業中の家賃、住宅ローン、教育費、事業固定費、売上減は直接補ってくれません。また、差額ベッド代、食事代、通院交通費、家事代行、仕事を代行してもらう外注費などは、制度の対象外になることがあります。
さらに、会社員が加入する健康保険の(傷病手当金)は、業務外の病気やケガで会社を休み、給与を十分に受けられない場合に支給される制度です。支給期間は支給開始日から通算1年6か月、支給額は標準報酬月額をもとに計算されます。一方、自営業者が加入する国民健康保険では、会社員の健康保険と同じ傷病手当金を前提にできないのが通常です。国民健康保険組合や自治体の独自給付がある場合もあるため、自分の保険者に確認しておきましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
自営業の就業不能対策は、商品名を比べる前に「働けない月の赤字」を見える化するだけで、かなり失敗しにくくなります。

障害基礎年金は短期休業の生活費対策ではない

自営業者にも、重い障害状態になった場合の公的保障として障害基礎年金があります。日本年金機構の(障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額)によると、令和8年4月分からの年金額は、昭和31年4月2日以後生まれの場合、1級が年1,059,125円、2級が年847,300円に子の加算額を加えた金額です。
ただし、障害基礎年金は「少し働けない」「数か月休む」だけで受け取れる制度ではありません。初診日、保険料納付要件、障害等級1級または2級に該当する状態など、複数の要件があります。短期の入院・療養、がん治療後の数か月の休業、骨折や手術後のリハビリ期間などの生活費は、貯蓄や民間保険で備える必要が出やすい部分です。

保険で埋める前に確認する順番

  • 1
    最初に、生活費と事業固定費から毎月の必要額を出します。
  • 2
    次に、配偶者収入、継続売上、自治体や国保組合の給付を差し引きます。
  • 3
    続いて、緊急資金として何か月分を残すか決め、使える貯蓄額を計算します。
  • 4
    最後に、貯蓄で足りない期間や金額だけ、就業不能保険や所得補償保険で補うか検討します。

基準3:保障月額は不足額から逆算する

就業不能保険の保障額は、なんとなく月10万円、月20万円と選ぶのではなく、 保障月額は不足額から逆算 します。
たとえば、生活費30万円、事業固定費10万円、休業中の売上0円、貯蓄300万円の自営業者を考えます。毎月の必要額は40万円です。ただし、全額を使い切るのは危険なので、最低3か月分の生活費・固定費として120万円を残すと、休業時に使える貯蓄は180万円です。この場合、貯蓄だけで耐えられる期間は180万円÷40万円で約4.5か月です。
もし就業不能保険の免責期間が60日なら、最初の2か月は貯蓄で80万円を支払う必要があります。その後に月20万円の給付が始まる設計なら、毎月の不足は40万円から20万円を引いた20万円です。残りの貯蓄100万円で約5か月耐えられ、合計で7か月前後の休業に対応しやすくなります。
このように、保険は「不足を全部消すもの」ではなく、「貯蓄が尽きるスピードを遅らせるもの」と考えると、保険料をかけすぎにくくなります。

就業不能保険と所得補償保険はどう違いますか?

就業不能保険と所得補償保険の違いがよくわかりません。自営業ならどちらを見ればよいですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
どちらも働けないリスクに備えますが、給付期間、免責期間、職業・所得確認、精神疾患の扱いが違います。長期の生活費対策は就業不能保険、短期の収入減対策は所得補償保険が候補になりやすいので、条件を並べて確認しましょう。

就業不能保険・所得補償保険・医療保険の使い分け

3つの保険は似ていますが、守る対象が違います。医療保険は治療に伴う費用、就業不能保険や所得補償保険は働けない間の収入減に備えるものです。
種類主な目的見るべきポイント
就業不能保険長く働けないときの生活費補填給付条件、免責期間、給付期間、精神疾患の扱い
所得補償保険比較的短期の収入減補填実所得の確認、職業区分、免責期間、更新条件
医療保険入院・手術・治療費への備え入院日額、一時金、手術給付、通院保障
特に自営業は、所得補償保険で前年所得や職業内容を確認されることがあります。売上は高くても経費が多く、所得が低い年がある人は、想定した保険金額で契約できるか確認が必要です。就業不能保険も、商品によって「入院」「在宅療養」「所定の障害状態」「医師の指示による就業不能」など給付条件が異なります。パンフレットの給付例だけでなく、約款の支払条件を見ましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
同じ「働けない」でも、保険会社が定める給付条件に当てはまらなければ給付されません。加入前に、どんな状態なら受け取れるかを必ず確認しましょう。

免責期間と精神疾患の扱いは必ず確認する

自営業が就業不能保険を選ぶときは、保障月額だけでなく、免責期間を必ず見てください。免責期間とは、働けなくなってから給付が始まるまでの待ち期間です。60日、90日、180日などがあり、長いほど保険料は抑えやすい一方、給付開始までの生活費を貯蓄でまかなう必要があります。
精神疾患の扱いも商品差が大きい部分です。うつ病や適応障害などによる休業は、フリーランスにも起こり得ますが、保障対象外、給付期間が短い、特約で対応するなど条件が分かれます。精神疾患で通院歴がある場合は、告知内容や加入可否にも影響するため、自己判断で省略せず、正確に確認しましょう。
また、在宅療養中でも給付対象になるか、医師の診断書で足りるのか、事業を一部継続した場合に給付がどうなるかも重要です。自営業は「完全に休む」だけでなく、短時間だけ事務処理をする、既存顧客の連絡だけ返すといった働き方になりやすいためです。

NISA・iDeCoより先に緊急資金を確保する

資産形成も大切ですが、休業時の現金不足がある人は、 まず現金、次に保険、最後に投資 の順で考えると家計が安定します。
NISAは、金融庁の(NISAを知る)にある通り、2024年から非課税保有期間が無期限となり、つみたて投資枠は年120万円、成長投資枠は年240万円、合計で年360万円まで使える制度です。ただし、投資信託や株式は元本割れの可能性があり、休業直後に必要な生活費を置く場所としては向きません。
iDeCoも老後資金づくりには有効です。厚生労働省の(iDeCoの概要)では、加入者が拠出した掛金は全額所得控除、運用益は運用中非課税とされています。一方で、原則として老齢給付金は60歳到達まで受け取れません。自営業者等の拠出限度額は現行で月68,000円とされていますが、老後資金に回しすぎて、現役中の休業に耐えられない状態は避けたいところです。
目安としては、生活費と事業固定費の3〜6か月分を現金で確保し、そのうえで就業不能保険や所得補償保険を検討し、余力をNISAやiDeCoに振り向ける順番が現実的です。

相談前にそろえると判断が早くなるもの

就業不能時の不足額は、家族構成、売上の安定度、経費の重さ、貯蓄額によって大きく変わります。相談前には、直近1年の売上と所得、毎月の生活費、事業固定費、貯蓄額、加入中の医療保険や生命保険の証券を手元に置いておくと、必要保障額を具体的に出しやすくなります。
特に保険証券は、入院給付、手術給付、就業不能特約、保険料払込免除などがすでに付いていることがあります。新しく加入する前に、今ある保障で何が足りていて、何が足りないのかを棚卸ししましょう。
ほけんのAIでは、まずLINEでAIに家計や保険の悩みを相談し、必要に応じてオンラインでFPに相談できます。家計簿や保険証券があるとスムーズですが、準備が完全でなくても始められます。就業不能保険だけでなく、医療保険、生命保険、NISA、iDeCo、緊急資金までまとめて見ることで、保険料をかけすぎずに休業リスクへ備えやすくなります。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    自営業・フリーランスは、国民健康保険に会社員の健康保険と同じ傷病手当金を前提にしにくいため、休業中の生活費不足を自分で見積もる必要があります。
  • 2
    高額療養費制度は医療費の自己負担を抑える制度であり、売上減や事業固定費を直接補うものではありません。
  • 3
    生活費30万円、事業固定費10万円なら、休業時の必要額は月40万円です。貯蓄で耐えられる期間を計算してから保障月額を決めましょう。
  • 4
    就業不能保険、所得補償保険、医療保険は目的が違います。給付条件、免責期間、精神疾患の扱い、事業を一部続けた場合の扱いを確認しましょう。
  • 5
    NISAやiDeCoへの積立は、生活費と事業固定費の3〜6か月分の現金を確保したうえで、無理のない範囲に調整するのが安心です。

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働けない期間の不足額は、生活費、事業固定費、貯蓄、既存保険で大きく変わります。ほけんのAIなら、まずLINEでAIに相談し、必要に応じてオンラインでFPに無料相談できます。時間や場所を選ばず、保険だけでなく家計・NISA・iDeCoまで中立的に整理できるので、過不足のない備えを一緒に確認してみましょう。

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