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【2026年7月更新】遺族厚生年金改正|子なし夫婦の生命保険3手順

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年7月更新】遺族厚生年金改正|子なし夫婦の生命保険3手順
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子なし夫婦 生命保険
遺族年金 2028年
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収入保障保険
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子なし夫婦ほど「公的年金ありき」の保障設計を見直したい

今回の 遺族厚生年金改正 は、子どものいない現役世代の夫婦にとって、死亡保障の考え方を見直す大きなきっかけになります。厚生労働省は、遺族厚生年金の見直しについて、2025年6月13日に成立した年金制度改正法に基づき2028年4月施行予定と説明しています。子のない60歳未満の配偶者について、男女差を縮め、原則5年間の有期給付へそろえていく内容です。(遺族厚生年金の見直しについて)
ただし、「5年で終わるなら生命保険を大きく増やすべき」と決めつけるのは早計です。夫婦それぞれの収入、住宅ローンと団体信用生命保険、預貯金、NISA、勤務先の死亡退職金、親の介護負担によって、必要な保障額はかなり変わります。この記事では、子なし夫婦が生命保険を見直す順番を3手順で整理します。

2026年7月時点で押さえたい改正の要点

  • 1
    法律上の施行予定は2028年4月で、施行日前にすでに遺族厚生年金を受け取っている人は、基本的に今回の見直しの影響を受けません。
  • 2
    子のない60歳未満の配偶者は、男女差を縮める形で原則5年間の有期給付へ見直されます。
  • 3
    女性については経過措置があり、施行直後に対象となるのは18歳年度末までの子がいない、2028年度末時点で40歳未満の人です。
  • 4
    男性については、妻を亡くした子のない60歳未満の夫が新たに5年間の有期給付を受けられるようになります。
  • 5
    有期給付中は加算により現在の遺族厚生年金額の約1.3倍となり、障害状態や収入状況によっては5年後も継続給付の対象になります。

「夫が亡くなったら妻が困る」だけで考えない

これまでの死亡保障は、夫に大きな保障を付け、妻は少額または未加入という設計も珍しくありませんでした。しかし 子なし夫婦 の場合、どちらか一方の死亡で家計が崩れるかは、性別よりも働き方と固定費で決まります。
たとえば妻の収入が家計の半分を支えている共働き世帯では、妻が亡くなった場合に夫の住居費や生活費が重くなることがあります。一方、片働きや収入差が大きい夫婦では、残された側がすぐに同じ生活水準を維持できるとは限りません。改正後は「夫に厚く、妻は薄く」ではなく、「残された人が生活を立て直すまで何年分必要か」で考えるのが基本です。

子どもがいなければ生命保険はいらないのでしょうか?

子どもがいない夫婦なら、教育費がないので死亡保障は少なくていいですよね?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
教育費は不要でも、葬儀費用、住居費、生活費の立て直し、親への仕送りや介護負担は残ります。遺族厚生年金が原則5年になる前提なら、少なくとも5年後の家計まで確認してから判断したいところです。

手順1:まず公的年金と勤務先保障を確認する

最初に見るべきなのは、民間保険ではなく公的保障と勤務先の制度です。亡くなった人が会社員・公務員だったのか、自営業だったのかで、遺族年金の前提は変わります。会社の弔慰金、死亡退職金、企業年金、団体保険がある場合、民間の生命保険を増やしすぎずに済むこともあります。
厚生労働省の資料では、見直し後の有期給付、継続給付、中高齢寡婦加算の段階的見直しについても整理されています。たとえば単身で就労収入が月額約10万円以下の場合は継続給付が全額支給され、収入が増えるにつれて調整される仕組みが示されています。(遺族厚生年金の見直しに対して寄せられている指摘への考え方)
まずは、ねんきん定期便や勤務先の福利厚生資料を見ながら、「受け取れる可能性があるお金」を書き出しましょう。自営業同士や一方が国民年金のみの夫婦は、遺族厚生年金が前提にならないこともあるため、確認の優先度はさらに高くなります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
不安なときほど保険を足したくなりますが、先に公的年金・勤務先制度・団信・貯蓄を並べると、本当に必要な保障だけが見えやすくなります。

手順2:5年後までの不足額を月単位で出す

次に、残された配偶者の生活費を月単位で試算します。ここでいう 生命保険の必要額 は、「死亡時に一括でいくら欲しいか」ではなく、「毎月いくら足りない状態が何年続くか」で考えると現実的です。
たとえば、現在の夫婦の生活費が月35万円、片方が亡くなった後の生活費が月26万円、残された人の手取り収入が月22万円なら、不足は月4万円です。葬儀費用や引っ越し費用を別に見込んだうえで、5年間なら月4万円×60か月=240万円が生活費部分の不足額になります。そこに住宅ローン、賃貸更新、車、親の支援、未払い医療費などを足していきます。
大切なのは、夫死亡時だけでなく妻死亡時も同じ計算をすることです。共働き夫婦では、2人の収入があるからこそ維持できている家賃、住宅ローン、車、外食費、帰省費などがあります。残された人の収入で本当に回るかを、月単位で見ると過不足がはっきりします。

不足額を出すときのチェック項目

  • 1
    夫婦それぞれの手取り収入と、死亡後に減る支出・残る支出を分けて書き出します。
  • 2
    住宅ローンがある場合は、団信で残債が消える条件と、ペアローンなど消えない借入部分を確認します。
  • 3
    賃貸の場合は、単身用へ住み替える可能性と、敷金・礼金・引っ越し代などの初期費用を見込みます。
  • 4
    葬儀費用、未払い医療費、相続手続き費用、スマホやサブスクの解約費用など、死亡直後の一時費用を別枠で置きます。
  • 5
    5年後に働き方を変えられるか、親の介護や自身の健康状態も含めて現実的に考えます。

手順3:定期保険・収入保障保険・貯蓄を組み合わせる

不足額が見えたら、最後に商品選びです。子なし夫婦の死亡保障では、一定期間だけ大きく備える定期保険や、毎月の給付で生活費を補う 収入保障保険 が候補になります。収入保障保険は、保険期間の経過とともに受け取れる総額が減っていく仕組みが多く、年齢とともに必要保障額が下がる世帯と相性があります。
一方、葬儀費用や相続整理資金を目的にするなら、少額の終身保険を検討する考え方もあります。ただし、金利上昇期は予定利率や解約返戻金の条件が変わりやすく、保険料負担も無視できません。生命保険協会の2025年版統計では、2024年度末の個人保険の保有契約件数は1億9,530万件と17年連続で増加する一方、死亡保障などの保有契約高は減少しており、死亡保障を抑えて医療保障を充実させる近年の傾向が示されています。(生命保険の動向 2025年版)
つまり、周りが入っている保険の大きさに合わせるより、自分たちの不足額に合わせることが大切です。必要保障額が300万円なのに1,000万円の死亡保障を持てば、安心感はあっても保険料の払いすぎになりやすくなります。逆に、住宅ローンや親の支援が重い世帯では、子どもがいなくても一定の死亡保障が必要になることがあります。

NISAがあれば死亡保障の代わりになりますか?

夫婦でNISAを積み立てています。これがあれば生命保険は減らしても大丈夫でしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
NISAは将来資産を作る手段ですが、死亡直後に必要額が用意されているとは限りません。すでに十分な残高があるなら保険を減らせますが、積立初期なら死亡保障と併用するほうが安全です。

NISAや預貯金は「5年後以降」の支えとして見る

子なし夫婦は教育費がない分、老後資金や生活防衛資金にお金を回しやすい面があります。そのため、すべてを保険で準備するより、 NISAや預貯金 と死亡保障を分けて考えるほうが合理的です。
金融庁のNISA特設ページでは、2024年からのNISAについて、非課税保有期間の無期限化、制度の恒久化、年間投資枠最大360万円、非課税保有限度額1,800万円などが説明されています。(NISAを知る) 長期の資産形成には使いやすい制度ですが、投資資産は値動きがあり、死亡直後に必要な金額がそのまま確保できるとは限りません。
死亡直後から数年間の不足は保険でカバーし、5年後以降は働き方の見直し、貯蓄、運用資産で支える。こう考えると、保険料を払いすぎずに済みます。特に共働きで収入が安定している夫婦は、掛け捨ての死亡保障を必要な期間に絞り、浮いた保険料を生活防衛資金や老後資金に回す選択肢もあります。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
子どもがいないから不要、改正があるから高額保障という二択ではありません。残された配偶者が生活を立て直す時間を買うものとして、必要な分だけ持つのが基本です。

夫婦タイプ別に見る生命保険の考え方

共働きで収入差が小さいDINKS世帯は、夫婦それぞれに同程度の死亡保障を持つ設計が向いていることがあります。死亡時に住宅ローンが団信で消えるなら、生活費の不足と一時費用を中心に考えます。ペアローンの場合は、どちらの債務がどこまで団信で消えるのかを必ず確認しましょう。
一方、片働きや収入差が大きい夫婦では、主な稼ぎ手に厚めの保障を置き、もう一方には葬儀費用や生活整理資金を準備する形が現実的です。住宅ローンがない賃貸世帯では、住み替え費用や当面の家賃をどう確保するかがポイントになります。親の介護や仕送りがある夫婦は、残された人が支援を続けられるかも忘れずに確認しましょう。

相談前に用意するとスムーズなもの

FP相談を使う場合も、最初から完璧な家計簿は必要ありません。保険証券、ねんきん定期便、住宅ローンの返済予定表、勤務先の福利厚生資料、NISAや預貯金の残高が分かるものがあれば、かなり具体的に整理できます。
生命保険文化センターの全国実態調査では、世帯の生命保険加入状況、死亡保障額、年間払込保険料、万一の場合に必要と考える資金額などが継続的にまとめられています。(2024年度 生命保険に関する全国実態調査) 保険は「みんなが入っているから」ではなく、世帯ごとの不足額から考えるものです。改正前の今こそ、夫婦でお互いの保障を同時に棚卸ししておきましょう。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    2028年4月施行予定の遺族厚生年金改正では、子のない60歳未満の配偶者が原則5年間の有期給付となる一方、経過措置や継続給付もあります。
  • 2
    生命保険を増やす前に、公的年金、勤務先保障、団信、貯蓄、NISA残高を確認することが先決です。
  • 3
    必要保障額は、死亡後の月間不足額と生活再建に必要な期間から逆算すると考えやすくなります。
  • 4
    定期保険や収入保障保険は、死亡直後から5年程度の生活再建資金を補う選択肢になります。
  • 5
    NISAや預貯金は死亡直後の保障とは役割が違うため、保険と資産形成を分けて設計しましょう。

まずは無料オンラインFP相談で棚卸しを

子なし夫婦の遺族厚生年金改正対策は、公的年金、生命保険、NISA、住宅ローンをまとめて見る必要があります。ほけんのAIなら、まずLINEでAIに家計や保険の悩みを相談し、必要に応じて有資格者のFPにオンラインで相談できます。無料で、時間や場所を選ばず、中立的な立場で保障額や商品比較を整理できるのが利点です。相談前に保険証券やねんきん定期便があると、より具体的に進められます。

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