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【2026年7月更新】個人年金保険一括受取|65歳の税と保険料3基準

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山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年7月更新】個人年金保険一括受取|65歳の税と保険料3基準
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65歳で個人年金を一括受取する前に確認したいこと

65歳で退職金や公的年金の受給開始が近づくと、契約していた 個人年金保険の一括受取 を選ぶべきか、年金形式で受け取るべきか迷いやすくなります。
一括で受け取るとまとまった資金を確保しやすい一方、その年の所得が増え、所得税・住民税だけでなく、翌年度の国民健康保険料や介護保険料に影響することがあります。この記事では、65歳の人が受取前に見るべき基準を「税金」「社会保険料」「家計での使い道」の3つに分けて整理します。

2026年7月時点の関心は手取りと老後資金の両立

2026年は、物価上昇への備え、公的年金への移行、NISAを使った老後資金づくりへの関心が続いています。生命保険文化センターの2024年度調査でも、生命保険(個人年金保険を含む)の世帯加入率は2人以上世帯で89.2%とされ、個人年金保険は多くの家庭にとって身近な老後資金の選択肢です。(2024年度 生命保険に関する全国実態調査)
特に65歳前後は、給与が減る、退職金を受け取る、公的年金が始まる、健康保険の加入先が変わるなど、所得と社会保険料の計算が変わりやすい時期です。単純に「一括のほうが自由に使える」と判断せず、受取年と翌年の負担まで見ることが大切です。

65歳の一括受取で見る3基準

  • 1
    税金は、受取額ではなく利益部分が一時所得として課税対象になるかを確認します。
  • 2
    社会保険料は、一時所得が翌年度の国民健康保険料や介護保険料に影響するかを確認します。
  • 3
    住民税非課税や各種軽減を受けている人は、一時的な所得増で判定が変わらないかを確認します。
  • 4
    退職金や不動産売却益など、同じ年に大きな資金移動や所得がないかを確認します。
  • 5
    一括受取後の資金を、生活費、医療・介護費、預金、NISAのどこに置くか決めておきます。

基準1:一括受取は原則として一時所得になる

契約者、保険料負担者、年金受取人が同じ個人年金保険を、将来の年金に代えて一括で受け取る場合、原則として 一時所得 として扱われます。国税庁も、年金受給開始日前や開始後に将来の年金給付総額に代えて一時金で受け取った場合は一時所得として課税されると説明しています。(No.1610 保険契約者である本人が支払を受ける個人年金)
一時所得は、受け取った金額全体に税金がかかるわけではありません。基本的には「受取額から払込保険料などを差し引き、さらに特別控除50万円を差し引いた後、その2分の1」が総所得金額に算入されます。

利益が50万円以下なら何もしなくていい?

一括受取の利益が50万円以下なら、税金も申告も気にしなくて大丈夫ですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
所得税の課税対象が出ない可能性はありますが、同じ年に他の一時所得があると合算します。また、住民税申告や保険料判定の扱いは自治体確認が必要です。保険会社の支払明細と払込保険料の資料は必ず保管しましょう。

一時所得の計算は50万円控除と2分の1課税がポイント

一時所得の基本式は「総収入金額-収入を得るために支出した金額-特別控除額50万円」です。個人年金保険の一括受取では、受取額から対応する払込保険料を差し引いた利益が50万円以下なら、所得税の課税対象が生じないケースもあります。
たとえば、一括受取額が600万円、払込保険料相当額が540万円なら差益は60万円です。ここから50万円を差し引くと10万円、さらに課税対象として総所得に入るのは原則5万円です。計算の考え方は国税庁の満期保険金の説明にも共通しています。(No.1755 生命保険契約に係る満期保険金等を受け取ったとき)
注意したいのは、50万円控除は「契約ごと」ではなく、その年の一時所得全体で使う控除だという点です。養老保険の満期金、懸賞金、ふるさと納税の返礼品に関する一時所得などが同じ年にある場合は、まとめて確認しましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
一括受取で大切なのは、振り込まれる金額ではなく、税金と翌年の保険料を差し引いた後に家計で使える金額です。

基準2:年金受取なら雑所得、一括受取なら一時所得

個人年金保険を毎年受け取る場合は、原則として 雑所得 として扱われます。一方、一括受取は一時所得になるため、税金の計算方法が変わります。
ここで混同しやすいのが、公的年金との違いです。老齢基礎年金や老齢厚生年金は「公的年金等に係る雑所得」として公的年金等控除を使いますが、生命保険契約に基づく個人年金は公的年金等には該当しません。公的年金の課税関係は国税庁の説明を確認しておくと整理しやすいです。(No.1600 公的年金等の課税関係)

年金形式のほうが税金は少ないとは限らない

年金形式で受け取ると、所得が複数年に分散されるため、1年あたりの税負担や社会保険料への影響を抑えられることがあります。ただし、毎年の雑所得として計算されるため、公的年金、給与、企業年金、不動産収入などがある人は、長く所得に上乗せされる点に注意が必要です。
一括受取はその年の所得が増えやすい反面、50万円控除と2分の1課税の仕組みがあります。どちらが有利かは、単年の税額だけでなく、翌年度の住民税、国民健康保険料、介護保険料、資金の使い道まで含めて比べる必要があります。

一括受取前にやること

  • 1
    保険会社から一括受取額、払込保険料相当額、年金形式の受取総額を取り寄せます。
  • 2
    給与、公的年金、企業年金、不動産収入など、同じ年の所得を一覧にします。
  • 3
    一時所得の概算を出し、50万円控除後に課税対象が残るか確認します。
  • 4
    市区町村に、翌年度の国民健康保険料と介護保険料への影響を確認します。
  • 5
    一括で受け取った資金を、生活防衛資金、医療・介護費、NISAなどに分ける方針を決めます。

基準3:社会保険料は翌年度に影響することがある

65歳以降は、勤務先の健康保険に残る人、家族の扶養に入る人、国民健康保険に入る人などで保険料の扱いが変わります。退職後に国民健康保険へ移る人は、一括受取による所得増が翌年度の所得割に影響する可能性があります。
横浜市の国民健康保険料の説明では、所得割額の算定に使う「基準総所得金額」は総所得金額等から市民税の基礎控除額を差し引く形で、一時所得も対象に含まれるとされています。(保険料に関する用語説明)
また、2026年度は健康保険料に子ども・子育て支援金分が加わる自治体例もあり、国民健康保険料の内訳は以前より確認すべき項目が増えています。墨田区のように、医療分、後期高齢者支援金分、子ども・子育て支援金分を分けて示している自治体もあります。(国民健康保険料の計算)

65歳からは介護保険料の段階判定も見る

65歳からは介護保険の第1号被保険者となり、介護保険料は市区町村が定める基準額に所得段階別の乗率をかけて決まります。生命保険文化センターによると、2024年度からの第1号被保険者の基準額の全国平均は月額6,225円で、市区町村によって差があります。(公的介護保険への加入はいつから?保険料はどのように負担する?)
個人年金保険の一括受取で一時所得が生じると、翌年度の所得段階が上がる場合があります。住民税非課税世帯、国民健康保険料の軽減、介護保険料の段階判定を受けている人ほど、所得税が少額でも家計の手取りが変わりやすい点に注意しましょう。

確定申告不要制度に当てはまれば住民税申告も不要?

公的年金が400万円以下で、個人年金の一時所得も20万円以下なら、何も申告しなくてよいのでしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
所得税の確定申告不要制度に当てはまる場合でも、住民税の申告が必要になることがあります。医療費控除や社会保険料控除を使いたい人、自治体の保険料判定を正しくしてもらいたい人は、税務署と市区町村の両方に確認しましょう。

契約者と受取人が違うと贈与税の論点が出る

ここまでの話は、契約者、保険料負担者、受取人が同じケースを前提にしています。もし親が保険料を払って子が受け取る、夫が保険料を払って妻が受け取るなど、保険料負担者と受取人が異なる場合は、所得税ではなく贈与税の対象になる可能性があります。
個人年金保険は、契約形態によって税目が変わる代表的な商品です。受取直前に名義を見直すだけでは解決しないこともあるため、保険証券で契約者、被保険者、年金受取人、保険料負担者を確認しておきましょう。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
一括か年金かは、税額の小ささだけでなく、必要な時期に必要な金額を使えるかで判断するのがおすすめです。

NISAや預金との配分は受取前に決める

一括で受け取ったお金をすぐに使わない場合、預金に置く、NISAで運用する、医療・介護費として確保する、住宅ローン返済に充てるなどの選択肢があります。ただし、65歳以降の資金は「増やすお金」と 減らしてはいけないお金 を分けることが重要です。
金融庁のNISA説明では、2024年からのNISAは年間投資枠が最大360万円、非課税保有限度額が最大1,800万円、非課税保有期間は無期限とされています。(NISAを知る)
制度としては使いやすくなっていますが、生活費の数年分や急な医療・介護費まで投資に回してしまうと、相場下落時に取り崩すリスクが高まります。個人年金保険の一括受取は、税金の計算だけでなく、老後資金全体の置き場所を見直すタイミングとして考えましょう。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    個人年金保険を一括受取すると、契約者と受取人が同じ場合は原則として一時所得になります。
  • 2
    一時所得は利益部分から50万円控除を差し引き、残額の2分の1が課税対象に入るのが基本です。
  • 3
    65歳以降は、翌年度の住民税、国民健康保険料、介護保険料への影響も確認が必要です。
  • 4
    契約者や保険料負担者と受取人が違う場合は、贈与税の可能性があるため契約形態を確認しましょう。
  • 5
    一括受取後の資金は、預金、NISA、医療・介護費、生活費に分けて使い道を決めることが大切です。

まずは無料オンラインFP相談で受取前の手取りを整理

個人年金保険の一括受取は、税金だけでなく社会保険料、住民税非課税判定、老後資金の置き場所まで一緒に見る必要があります。ほけんのAIなら、LINEでAI相談を始められ、必要に応じて有資格者のFPにオンラインで無料相談できます。保険証券や受取見込額を手元に置き、中立的な立場で一括受取と年金受取を比べてみましょう。

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