【2026年7月更新】生命保険見直し|40代夫婦二人の生活費3基準
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

生命保険見直し
40代夫婦二人
生活費
必要保障額
高額療養費
遺族年金
NISA
目次
40代夫婦二人こそ、保険を生活費から見直したい理由
40代の夫婦二人世帯は、子育て世帯ほど大きな死亡保障が必要ないケースもあります。一方で、住宅ローン、親の介護、自分たちの老後資金づくりが重なり、保障を削りすぎると家計が不安定になることもあります。
この記事では 生命保険見直し を、商品名や保険料の安さだけでなく、毎月の生活費から逆算して考えます。確認すべき基準は「残された配偶者の生活費」「病気や収入減への耐久力」「老後資金とのバランス」の3つです。夫婦二人だから保険はいらない、と決めつける前に、いまの生活費と公的制度でどこまで守れるかを整理していきましょう。
この記事で確認する3基準
- 1夫婦のどちらかに万一があったとき、残された配偶者の生活費が何年分不足するかを確認します。
- 2入院やがん治療、休職が起きたとき、貯蓄と公的制度で何か月耐えられるかを確認します。
- 3毎月の保険料が、NISAやiDeCo、預金など将来資金づくりを圧迫していないかを確認します。
- 4保険料を下げる場合も、死亡保障、医療保障、就業不能保障の優先順位を決めてから手を付けます。
最新の生活費データは、保険見直しの出発点になる
総務省統計局の(家計調査報告 ―月・四半期・年―)では、2026年4月の二人以上世帯の消費支出が1世帯当たり328,969円、前年同月比では実質0.5%減と公表されています。これは夫婦二人だけの平均ではありませんが、物価高のなかで生活費が月30万円前後になりやすいことを考える目安になります。
40代夫婦二人の生活費を見るときは、食費や光熱費だけでなく、住宅ローン、家賃、通信費、車関連費、親への仕送り、医療費、旅行や帰省費まで含めることが大切です。保険は「万一のときに、この生活費をどこまで守るか」を決める道具だからです。まずは直近3か月の支出をならし、毎月必ず出ていく固定費と、調整できる変動費に分けてみましょう。
夫婦二人なら死亡保険はいらない?
子どもがいない夫婦二人なら、死亡保険はほとんど不要と考えてもよいですか?
不要とは限りません。残された配偶者の収入、住宅ローンの団信、預貯金、遺族年金の有無で変わります。まずは毎月の生活費から、何年分の不足が出るかを見ます。
基準1:残された配偶者の生活費を何年分守るか
最初の基準は、夫婦のどちらかが亡くなったときの 40代夫婦二人の生活費 です。たとえば現在の生活費が月32万円で、残された配偶者の手取り収入が月25万円なら、単純計算では月7万円の不足です。5年分なら420万円、10年分なら840万円が不足額の目安になります。
ただし、死亡後は食費や小遣いが減る一方で、住居費、車、通信費、税金、社会保険料は大きく減らないことがあります。住宅ローンに団体信用生命保険が付いている場合は住居費リスクが下がりますが、賃貸や団信なしのローンでは別途備えが必要です。
また、日本年金機構の(遺族年金)では、遺族基礎年金は原則として「子のある配偶者」または「子」が対象とされています。子どもがいない夫婦二人の場合、遺族厚生年金の有無や金額が重要になりやすいため、ねんきん定期便やねんきんネットで概算を確認しておくと安心です。
保険を見直す順番は、商品比較からではなく、今の生活を何か月、何年守りたいかを決めるところから始めると迷いにくくなります。
基準2:医療費と収入減に、貯蓄でどこまで耐えられるか
次に見るのは、死亡よりも身近に感じやすい病気やけがのリスクです。2026年7月時点では、厚生労働省の(高額療養費制度の概要(現行:令和8年8月見直し前))で、2026年8月見直し前の制度と、8月以降の見直し内容が整理されています。70歳未満で年収約370万円から約770万円の場合、現行の月額上限は「80,100円+(医療費-267,000円)×1%」が目安です。
2026年8月以降は、所得区分によって月額上限の見直しや年間上限の導入が予定されています。長期療養者への配慮として多数回該当の金額を据え置く方向も示されていますが、制度の対象外になる費用まで公的医療保険で埋まるわけではありません。差額ベッド代、通院交通費、自由診療、治療中の収入減、家事代行費などは、家計側で備える必要があります。
高額療養費があれば医療保険はいらない?
高額療養費制度があるなら、医療保険は解約しても大丈夫でしょうか?
自己負担の上限だけで判断しないほうが安全です。貯蓄、勤務先の傷病手当金、有給休暇、住宅ローンや家賃の重さ、差額ベッド代を希望するかまで含めて考えましょう。
休職リスクは「何か月収入が減るか」で考える
会社員で健康保険に加入している場合、病気やけがで働けないときに傷病手当金を受けられる可能性があります。ただし、手取りが今までと同じになるわけではなく、住宅ローンや家賃、保険料、通信費などの固定費はそのまま残ります。自営業やフリーランスの場合は、会社員よりも収入減への備えを厚めに見たいところです。
実践的には、まず「生活防衛資金」として生活費の6か月分を目安に預金で確保し、それでも不足する期間を医療保険、がん保険、就業不能保険で補う考え方が分かりやすいです。月32万円で暮らしている夫婦なら、6か月分は約192万円です。すでに300万円以上のすぐ使える預金がある家庭と、貯蓄が50万円の家庭では、同じ医療保険でも必要性は変わります。
40代夫婦二人の見直し手順
- 1直近3か月の家計から、夫婦二人の実際の生活費を月額で出します。
- 2死亡時、病気療養時、働けない時の3パターンで、不足する金額を分けて計算します。
- 3現在の保険証券を見て、死亡保障、医療保障、就業不能保障、貯蓄性部分を分類します。
- 4重複している特約や目的があいまいな保障から、減額や解約の候補にします。
- 5削った保険料の使い道を、預金、NISA、iDeCo、住宅ローン繰上返済などに振り分けます。
基準3:保険料が老後資金づくりを邪魔していないか
40代夫婦二人は、老後資金づくりのラストスパートに入り始める時期でもあります。生命保険文化センターの(生活保障に関する調査)では、2025年度調査として、夫婦2人の老後の最低日常生活費は平均で月23.9万円、ゆとりある老後生活費は平均で月39.1万円とされています。同調査では、年間払込保険料の平均が17.1万円という結果も示されています。
毎月の保険料が大きすぎると、 NISA・iDeCoとの配分 が崩れます。金融庁の(NISAを知る)では、2024年からのNISAについて、つみたて投資枠と成長投資枠の併用、年間投資枠最大360万円、非課税保有限度額1,800万円などが案内されています。掛け捨ての定期保険で必要保障額だけを確保し、浮いた保険料を預金やNISA、iDeCoに回すほうが合う家庭もあります。逆に、健康状態や相続、貯蓄の苦手さから、一定の貯蓄性保険を残す判断もあります。
毎月の保険料を下げることだけが正解ではありません。必要な保障を残したうえで、将来の選択肢を増やせる家計に整えることが大切です。
2026年は手取り変化も保険料見直しのきっかけになる
2026年4月からは、子ども・子育て支援金制度も始まっています。こども家庭庁の(子ども・子育て支援金制度について)では、被用者保険の2026年度の支援金率は0.23%で、基本的に支援金額の半分を企業が負担し、2026年4月保険料、つまり5月給与天引き分から拠出すると説明されています。
たとえば標準報酬月額40万円の会社員なら、月額の本人負担は40万円×0.0023÷2で約460円です。夫婦それぞれが会社員であれば、それぞれの給与明細に影響します。1つひとつの負担は小さく見えても、物価上昇、住宅ローン金利、医療費、老後資金準備が重なると、固定費である保険料の重みは増します。だからこそ、保険をゼロにするのではなく、生活費に対して過不足のない形に整えることが重要です。
よくある失敗は、保険だけを見て決めること
40代の見直しで多い失敗は、保険料だけを見て「高いから解約」「安いから乗り換え」と決めてしまうことです。更新型の保険は将来の保険料上昇を確認する必要がありますし、貯蓄性保険は解約返戻金、税金、予定利率も見なければなりません。
また、健康診断の結果や通院歴によっては、新しい保険に入り直せないこともあります。見直しは、先に解約するのではなく、新しい保障に入れるか、減額で済むか、払済保険にできるかを確認してから進めるのが安全です。特に夫婦のどちらか一方に収入が偏っている家庭では、死亡保障を減らしすぎないよう注意しましょう。
迷ったら、生活費と保険証券を一緒に棚卸しする
生命保険の見直しは、死亡保障、医療保障、就業不能保障、老後資金を一度に考えるため、夫婦だけで判断すると迷いやすいものです。家計簿がなくても、給与明細、保険証券、住宅ローン残高、預貯金額が分かれば、かなり具体的に整理できます。
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まとめ:重要ポイント
- 140代夫婦二人の生命保険見直しは、商品比較よりも毎月の生活費の把握から始めると判断しやすくなります。
- 2死亡保障は、残された配偶者の収入、住居費、遺族年金、貯蓄を踏まえて不足額を計算します。
- 3医療保障は、高額療養費や傷病手当金で足りない支出と収入減を補う目的で考えます。
- 4保険料が重すぎる場合は、NISAやiDeCo、預金など老後資金づくりとの配分を見直します。
- 5解約前には、健康状態、解約返戻金、税金、新しい保険に入れるかを必ず確認します。
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