【2026年7月更新】学資保険ランキング|0歳からの返戻率と受取時期3基準
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執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

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学資保険ランキングは「1位」より条件の一致が大切
2026年7月時点で、教育資金づくりでは 学資保険ランキング への関心が続いています。背景には、金利上昇を受けた貯蓄型保険への再注目、2024年10月分からの児童手当拡充、NISAを使った資産形成の一般化があります。
ただし、ランキング上位の商品をそのまま選べばよいとは限りません。学資保険は、契約者の年齢、子どもの年齢、払込期間、受取時期、特約の有無で返戻率が大きく変わります。さらに、2024年度の生命保険市場では個人保険の保有契約件数が1億9,530万件と増える一方、こども保険の新契約高は3,477億円、個人保険新契約高に占める構成比は0.6%にとどまっています。(生命保険の動向 2025年版)を見ると、教育資金専用の保険だけでなく、医療保険、終身保険、NISA、預貯金を含めて家計全体で考える流れが強まっていることがわかります。
この記事では、0歳から加入を検討する家庭向けに、返戻率と受取時期を見ながら失敗しにくい3基準を整理します。商品名の順位ではなく「わが家の条件に合うか」を判断できるようになることがゴールです。
ランキングを見る前にそろえたい比較条件
- 1契約者の年齢と性別を同じ条件にして比較します。
- 2子どもの年齢を0歳にそろえ、加入時期による保険料差を確認します。
- 3月払、年払、全期前納など、保険料の払い方を分けて見ます。
- 410歳払込、15歳払込、18歳払込など、払込完了年齢を確認します。
- 517歳、18歳、22歳など、満期金や学資金の受取時期を比べます。
返戻率とは、払った保険料に対していくら戻るかの目安
学資保険の 返戻率 は、総受取額を総払込保険料で割って計算します。たとえば、保険料を合計200万円払い、学資金として220万円受け取るなら、返戻率は110%です。
注意したいのは、返戻率は年利ではないことです。18年かけて110%になる場合と、10年で払い終えて22歳まで据え置いて110%になる場合では、お金を動かせない期間が違います。ランキングを見るときは、返戻率の数字だけでなく「いつ、いくら払って、いつ受け取るか」までセットで見る必要があります。
また、途中解約時の返戻金は払込保険料を下回ることがあります。教育資金は使う時期が比較的はっきりしているお金なので、返戻率の高さよりも、家計が無理なく続けられる設計かを先に確認しましょう。
返戻率が高い学資保険を選べば十分ですか?
ランキングで返戻率が一番高い商品を選べば、教育資金づくりとしては正解でしょうか?
返戻率は重要ですが、それだけでは不十分です。大学入学金に間に合う時期に受け取れるか、途中解約のリスクが小さいか、契約者に万一があったときの払込免除が必要かまで確認しましょう。
基準1:0歳加入は返戻率を上げやすいが、固定費化に注意
とくに 0歳加入 は、学資保険を検討するうえで有利になりやすいタイミングです。教育資金が必要になるまでの期間が長く、保険料を早めに払い終える設計を選びやすいからです。
一方で、0歳時点の家庭は育休中、時短勤務、住宅購入前後、保育料の発生など、家計が変動しやすい時期でもあります。返戻率を上げるために10歳払込や年払を選んでも、毎月のキャッシュフローが苦しくなって途中解約すると、元本割れの可能性があります。
実務的には、児童手当やボーナスを保険料に充てる場合でも、生活防衛資金を別に確保してから始めるのが安心です。目安として、会社員世帯なら生活費の3〜6か月分、自営業や収入変動が大きい家庭なら6〜12か月分を先に残しておくと、学資保険を途中で崩すリスクを下げられます。
学資保険は、増やす商品である前に、教育費の支払い時期に合わせてお金を残す仕組みです。
基準2:受取時期は大学入学前に間に合うかで判断する
学資保険で最も見落としやすいのが 受取時期 です。返戻率が高いプランでも、満期金が大学入学後に届く設計なら、入学金や前期授業料の支払いに間に合わないことがあります。
大学費用は、入学直前にまとまって必要になります。文部科学省の最新調査では、令和7年度の私立大学学部の初年度学生納付金等は平均1,507,647円、内訳は授業料968,069円、入学料240,365円、施設設備費172,550円などでした。(私立大学等の令和7年度入学者に係る学生納付金等調査結果について)を見ても、入学初年度だけで100万円を超える準備が必要になりやすいことがわかります。
一般的には、17歳満期、18歳満期、大学在学中に分割して受け取るタイプなどがあります。推薦入試や総合型選抜では、高校3年の秋から冬に入学金や前期納付金が必要になるケースもあります。早生まれの子どもや、契約応当日が納付期限の後になる家庭では、18歳満期より17歳満期のほうが安心な場合があります。
受取時期を決めるチェックポイント
- 1大学入学金の納付時期に、満期金や学資金が間に合うか確認します。
- 2推薦入試や総合型選抜を想定し、高校3年秋の支出も考えます。
- 322歳満期型は返戻率が上がりやすい一方、入学時資金には使いにくい点を理解します。
- 4分割受取型は、入学時だけでなく在学中の授業料にも充てやすいか確認します。
- 5契約応当月と実際の受取日を、保険会社の設計書で必ず確認します。
基準3:児童手当をどう使うかで必要な保険料が変わる
2026年7月時点では、 児童手当 は高校生年代まで支給対象が広がり、教育資金の土台として使いやすくなっています。こども家庭庁の案内では、月額は3歳未満が15,000円、3歳以上高校生年代までが10,000円、第3子以降は年齢を問わず30,000円です。支給は偶数月に前月分までの2か月分が行われます。(もっと子育て応援!児童手当)でも、対象年齢や支給額を確認できます。
第1子・第2子で0歳から高校生年代まで受け取ると、単純計算では約230万円規模になります。これをすべて学資保険に入れる家庭もあれば、一部を預貯金、NISA、個人向け国債などに分ける家庭もあります。
大切なのは、児童手当だけで大学費用すべてをまかなう前提にしないことです。大学進学費用は、入学金、授業料、受験費用、教材費、一人暮らし費用などが重なります。学資保険は「必ず使う時期のお金」を確保し、上乗せ分は預貯金や運用で育てる、といった役割分担が現実的です。
学資保険とNISAはどちらを優先すべきですか?
教育資金は学資保険とNISAのどちらで準備するのがよいですか?
安全性と時期の確実性を重視する部分は学資保険や預貯金、長期で増やしたい上乗せ部分はNISAという分け方が考えられます。ただしNISAは価格変動があるため、大学入学直前に必要な資金まで投資に寄せすぎないことが大切です。
NISAを使うなら、教育費の直前資金とは分ける
2024年から始まったNISAは、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、合計で年360万円まで投資でき、非課税保有限度額は1,800万円です。制度は恒久化され、非課税保有期間も無期限になっています。(NISAを知る)で確認できる通り、対象はその年の1月1日時点で18歳以上の人です。未成年の子ども名義でNISA口座を開く制度ではない点も押さえておきましょう。
教育資金でNISAを使う場合は、親名義の口座で長期運用し、大学入学の3〜5年前から必要額を徐々に預貯金などへ移す方法が考えられます。運用が好調な時期だけを前提にすると、入学直前の相場下落で売却しにくくなることがあります。
つまり、学資保険とNISAは「どちらが正解か」ではなく、使う時期とリスク許容度で分けるものです。入学金のように支払期限が動かせないお金は安全性を重視し、10年以上先の上乗せ資金は運用を検討する、という順番で考えると整理しやすくなります。
教育資金づくりで本当に避けたいのは、増えないことより、必要な時期に使えるお金が足りないことです。
ランキング上位でも、特約付きは返戻率が下がることがある
学資保険には、契約者に万一のことがあった場合に以後の保険料が免除される払込免除が付いているものがあります。これは、教育資金を守るうえで大きな安心材料です。
一方で、医療保障や育英年金などの特約を厚くすると、貯蓄性は下がりやすくなります。ランキングでは返戻率重視のシンプルな設計が上位に出やすいため、保障も欲しい家庭は「学資保険で付けるべき保障」と「親の生命保険で備える保障」を分けて考えると整理しやすくなります。
たとえば、親の死亡保障が十分にある家庭では、学資保険はシンプルな貯蓄型に近い設計でよい場合があります。反対に、片働き家庭や住宅ローン返済中の家庭では、払込免除や親の死亡保障を手厚くする意味が大きくなります。
2026年7月のランキング傾向:短期払と据置型が目立つ
2026年7月の学資保険比較では、0歳加入、契約者30歳前後、10歳払込、18歳または22歳受取といった条件で返戻率を示すランキングが多く見られます。金利上昇局面では、以前より貯蓄型保険に注目が戻りやすい一方で、短期払や据置型は「返戻率が高く見えやすい条件」でもあります。
短期払は、総払込保険料を抑えやすい反面、毎月または毎年の保険料負担が大きくなります。22歳受取は返戻率が高く見えやすい反面、大学入学時の費用には使いにくいことがあります。ランキングを見るときは、上位商品名よりも「なぜその条件だと上位なのか」を読み解くことが大切です。
比較する際は、同じ商品で17歳満期、18歳満期、22歳満期の設計書を並べると、返戻率と使いやすさの差が見えやすくなります。保険会社や代理店に相談する場合も、最初から1パターンだけでなく、払込期間と受取時期を変えた複数案を出してもらいましょう。
家庭別の選び方:共働き、片働き、自営業で重視点は変わる
共働き家庭では、どちらを契約者にするかで払込免除の意味が変わります。収入の大きい人を契約者にするのか、健康状態や保険料負担を見て決めるのかを整理しましょう。育休中や時短勤務中の場合は、復職後の手取りと保育料、住宅ローン、NISA積立額まで含めて保険料を決めることが大切です。
片働き家庭では、契約者に万一があったときの教育資金確保がより重要です。学資保険だけで足りない場合は、親の定期保険や収入保障保険で必要保障額を補う選択肢もあります。
自営業家庭では、収入の波や社会保障の違いも踏まえ、短期払にしすぎない慎重さが必要です。余裕がある年に年払や前納を検討するより、まずは毎月続けられる保険料に抑えるほうが、結果的に教育資金を守りやすくなります。つまり、同じランキング1位でも、家庭によって合う・合わないは変わります。
まとめ:重要ポイント
- 1返戻率は総受取額と総払込保険料の割合であり、年利ではありません。
- 20歳加入は有利になりやすい一方、短期払で家計が苦しくならないか確認が必要です。
- 3受取時期は大学入学前に間に合うかを最優先で確認しましょう。
- 4児童手当、預貯金、NISA、親の生命保険との役割分担で教育資金を設計しましょう。
- 5ランキング上位の商品でも、契約条件や家庭の状況が違えば最適とは限りません。
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