【2026年5月更新】貯蓄型保険はやめる?|40代の解約前3基準
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

貯蓄型保険
解約返戻金
40代 保険見直し
払済保険
生命保険料控除
NISA
一時所得
目次
40代がいま悩む「貯蓄型保険をやめるか」問題
40代になると、教育費、住宅ローン、親の介護、自分たちの老後資金が同時に見えてきます。そこで負担に感じやすいのが、毎月数万円を払い続けている 貯蓄型保険 です。
終身保険、養老保険、学資保険、個人年金保険などは、保障と貯蓄を一体で持てる一方、途中解約では元本割れ、税金、保障切れが起こることがあります。生命保険文化センターの2024年度調査では、生命保険・個人年金保険を含む世帯加入率は2人以上世帯で89.2%とされており、40代でも「入っている保険をどう見直すか」は身近なテーマです。(2024年度「生命保険に関する全国実態調査」)
この記事では、40代が解約前に見るべき基準を「返戻率」「保障」「解約後の資金計画」の3つに絞って整理します。結論を急がず、家計全体で損をしない判断を目指しましょう。
解約前に見るべき3つの基準
- 1現在の解約返戻金と払込保険料総額を比べ、元本割れの有無と今後の返戻率を確認します。
- 2死亡保障や医療保障が、現在の家族構成、公的保障、勤務先保障と重複していないか確認します。
- 3解約後のお金をNISA、iDeCo、預金、個人向け国債などにどう振り分けるか決めてから手続きします。
- 4解約益が出る場合は一時所得、生命保険料控除の減少、相続税の非課税枠への影響を確認します。
2026年5月の見直し背景は「金利」と「非課税投資枠」
貯蓄型保険の見直しが注目される背景には、金利環境と資産形成制度の変化があります。2024年からのNISAでは、つみたて投資枠が年120万円、成長投資枠が年240万円、合計で年360万円まで利用できます。非課税保有限度額は1,800万円で、成長投資枠はそのうち1,200万円までです。制度の基本は金融庁の(NISAを知る)で確認できます。
一方、個人向け国債も金利上昇局面で比較対象に入りやすくなっています。財務省の(発行スケジュール)では、募集期間や発行日を確認でき、金利は募集開始日の前営業日に公表予定とされています。
つまり、40代の資金置き場は「保険だけ」ではありません。保障を保険で持つ部分と、資産形成として運用する部分を分けて考えやすい時代になっています。
貯蓄型保険はすぐ解約したほうがいいですか?
NISAのほうが増えそうなので、貯蓄型保険はすぐ解約してもいいですか?
すぐ解約はおすすめしません。解約返戻金、保障の空白、税金を確認しないと、投資以前に家計が不利になることがあります。まずは保険会社に現在の解約返戻金と将来の返戻金推移を出してもらいましょう。
基準1:解約返戻金と払込総額を比べる
最初に確認したいのは 解約返戻金 です。解約返戻金とは、貯蓄型保険を途中でやめたときに戻ってくるお金のことです。見るべき数字は、現在の解約返戻金だけではありません。
「これまで払った保険料の合計」と「いま解約した場合に戻る金額」を比べ、返戻率を出します。たとえば、払込総額が300万円、解約返戻金が255万円なら返戻率は85%です。この場合、解約すると45万円の元本割れになります。
ただし、元本割れだから絶対に続けるべきとも限りません。今後さらに保険料を払い続けた場合の返戻率、満期までの年数、解約後に保険料分を別の資産形成へ回した場合の見込みを並べて考える必要があります。
貯蓄型保険の見直しは、過去の損得だけでなく、これからの家計を軽くできるかで考えると判断しやすくなります。
低解約返戻金型と税金は必ずセットで確認する
低解約返戻金型の終身保険などは、保険料を払っている期間中の返戻率を低くし、払込満了後に返戻率が上がる設計になっていることがあります。払込満了まであと数年なら、すぐ解約するより、払済や減額を含めて待つ選択が有利な場合もあります。
逆に、払込満了まで10年以上あり、毎月の保険料が家計を圧迫しているなら、早めに見直す価値があります。ポイントは「過去に払った保険料を取り戻す」ことだけにこだわらず、「これから払うお金が家計に合っているか」を見ることです。
解約返戻金が払込保険料総額を上回る場合、利益部分に 一時所得 として税金がかかる可能性があります。国税庁の(給与所得者に生命保険の満期返戻金などの一時所得があった場合)では、受け取った保険金等から払込保険料等と特別控除額50万円を差し引き、さらに2分の1にした金額が課税対象になると説明されています。
たとえば、解約返戻金が360万円、払込保険料総額が290万円なら、差益は70万円です。そこから特別控除50万円を差し引き、残り20万円の2分の1である10万円が課税対象の目安になります。実際の税額は他の所得や控除で変わるため、金額が大きい場合は確定申告の要否も含めて確認しましょう。
保険会社に取り寄せたい資料
- 1現在解約した場合の解約返戻金額が分かる資料を取り寄せます。
- 2今後5年、10年、払込満了時、満期時の返戻金推移表を確認します。
- 3主契約と特約に分けた保障内容と保険料の内訳を確認します。
- 4払済保険、減額、特約解約ができるかを保険会社に確認します。
- 5解約した場合に失う死亡保障額、医療特約、個人年金保険料税制適格特約の有無を確認します。
基準2:40代の保障ニーズは加入時から変わっている
40代の保険見直しで多いのが、加入当時と今の必要保障額がズレているケースです。子どもが小さい頃は大きな死亡保障が必要でも、子どもの独立が近づくほど必要期間は短くなります。住宅ローンに団体信用生命保険が付いている場合、住居費の備えも一部カバーされている可能性があります。
会社員なら遺族年金、傷病手当金、勤務先の弔慰金や団体保険も確認しましょう。自営業やフリーランスは会社員より公的保障が薄くなりやすいため、貯蓄型保険をやめる前に、死亡保障や就業不能時の備えを別途確保する必要があります。
大切なのは「保険があるから安心」ではなく、「足りない保障がいくらで、いつまで必要か」を数字で見ることです。
元本割れでも解約したほうがいいケースはありますか?
返戻率が90%で元本割れです。それでもやめる判断はあり得ますか?
あり得ます。今後の保険料負担が重い、保障が過剰、払込満了まで長い、解約後の資金計画が明確という条件がそろうなら、短期の損失を受け入れて家計を改善する選択もあります。ただし、保障の空白は作らないでください。
生命保険料控除だけで続けるのは慎重に
貯蓄型保険を続ける理由として、生命保険料控除を挙げる人もいます。国税庁の(生命保険料控除)では、新契約の一般生命保険料、介護医療保険料、新個人年金保険料について、それぞれ年間支払保険料が8万円超の場合は所得税の控除額が一律4万円、3区分合計では12万円が上限とされています。
ただし、控除は「払った保険料が戻る制度」ではなく、所得から一定額を差し引いて税負担を軽くする制度です。年間数万円の税負担軽減のために、毎年何十万円もの保険料を払い続けるのが合理的かは別問題です。
控除の有無だけで判断せず、保険料、保障、返戻率、他の資産形成との比較で見直しましょう。
税金が少し軽くなることと、家計に合った保険料であることは別の問題です。控除は判断材料の一つとして扱いましょう。
基準3:解約後の資金計画を先に決める
貯蓄型保険をやめるなら、解約後の資金計画が必要です。代表的な選択肢は、生活防衛資金、NISA、iDeCo、個人向け国債、預金です。特にNISAは利益が非課税になる一方、投資信託や株式には元本割れリスクがあります。
40代は老後まで20年前後の運用期間を取りやすい一方、教育費や住宅ローンの支出も大きくなります。全額をリスク資産に入れるのではなく、数年以内に使うお金は預金や個人向け国債、10年以上使わないお金はNISAやiDeCoなど、 使う時期 で分けるのが現実的です。
解約返戻金を受け取ったまま普通預金に置いて使ってしまうと、見直し効果は薄れます。解約の前に「いくらを守るお金、いくらを育てるお金にするか」を決めておきましょう。
解約以外に「払済」「減額」「特約解約」もある
貯蓄型保険をやめたいと思っても、選択肢は解約だけではありません。生命保険文化センターの(保険料の払込みが困難になったときは?)では、解約しないで保障を続ける方法として、保険金の減額、特約の解約、延長保険への変更、払済保険への変更などが紹介されています。
払済保険は、以後の保険料を支払わず、その時点の解約返戻金をもとに保障額を小さくして契約を残す方法です。減額は、保障の一部を小さくして保険料を下げる方法です。医療特約やがん特約だけが不要なら、特約解約で保険料を下げられることもあります。
ただし、払済にすると特約が消える、保障額が大きく下がる、元に戻せないといった制約があります。手続き前に、変更後の保障内容と返戻金推移を必ず書面で確認しましょう。
相続目的の終身保険と7日確認手順
終身保険を相続対策として契約している場合は、単純な利回りだけで判断しないほうがよいことがあります。国税庁の(相続税の課税対象になる死亡保険金)では、死亡保険金の受取人が相続人である場合、相続税の計算上「500万円×法定相続人の数」までが非課税限度額とされています。解約して現金で持つと、この非課税枠を使えなくなる可能性があります。
一方で、相続税がかからない規模の家庭では、非課税枠のためだけに高い保険料を続ける必要性は下がります。相続目的、老後資金目的、教育資金目的が混ざっていると判断が難しくなるため、保険ごとに目的を分けて見直しましょう。
実践手順としては、1日目に保険証券を集め、主契約、特約、保険料、払込期間を一覧にします。2日目に保険会社へ解約返戻金と将来の返戻金推移を依頼します。3日目に年間保険料が手取り収入の何%を占めているか確認します。4日目は遺族年金、団信、勤務先保障を確認し、5日目は解約後の資金配分を考えます。6日目は一時所得や生命保険料控除、相続目的の有無を確認します。7日目に、解約、払済、減額、継続のどれがよいかを比較しましょう。
迷ったら保険と運用を分けて相談する
貯蓄型保険は、保障、貯蓄、税金、相続、投資方針が絡むため、1人で判断しにくい商品です。特に40代は、子どもの教育費、住宅ローン、親の介護、自分たちの老後資金が重なりやすく、保険だけを見ても最適解は出ません。
基本方針は、保障は必要額を保険で備え、資産形成は期間とリスク許容度に合わせてNISAやiDeCoなどを使い分けることです。もちろん、貯蓄型保険が合う人もいます。強制的に貯めたい人、相続対策が必要な人、健康状態の理由で新しい保険に入りにくい人は、安易な解約が不利になることもあります。
だからこそ、証券と家計を一緒に見ながら、総合的に判断しましょう。旧契約を解約する前に新しい保障の必要性を確認し、保障の空白を作らないことが大切です。
まとめ:重要ポイント
- 140代の貯蓄型保険見直しは、返戻率、保障ニーズ、解約後の資金計画の3基準で判断します。
- 2解約返戻金が元本割れでも、今後の保険料負担や保障の重複次第では見直しが有効な場合があります。
- 3解約益が出る場合は一時所得、生命保険料控除、相続税の非課税枠への影響を確認します。
- 4解約だけでなく、払済、減額、特約解約も選択肢に入れると後悔を減らせます。
- 5新しい保障が必要な場合は、旧契約を解約する前に保障の空白を作らないことが大切です。
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