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【2026年2月更新】生命保険と医療費控除の差し引き|e‑Tax入力順

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年2月更新】生命保険と医療費控除の差し引き|e‑Tax入力順
医療費控除
生命保険 給付金
補填 差し引き
e‑Tax 入力手順
高額療養費 年間上限
確定申告 医療費
マイナポータル 連携

課題と結論:差し引きの正解と入力の全体像

はじめに、医療費控除は「その年に実際に払った医療費」から「保険金等で補てんされる金額」と「10万円(または所得の5%)」を所得から控除できる制度です。国税庁の整理では、補てん額の差引きは給付の目的となった医療費ごとに行う(収支相償)のが大原則で、超過分は他の医療費から差し引きません。この基本式と原則は令和7年4月1日現在も変わっていません。(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除))
この記事では、入院・手術・通院・高額療養費などの「差し引く給付」と、傷病手当金やがん診断一時金などの「差し引かない給付」の線引きを、年またぎの按分やe‑Taxの入力順まで実務で迷わないレベルに落とし込みます。セルフメディケーション税制(令和8年分まで)との選択も最後に触れます。

この記事で解決できること

  • 1
    保険金等の差し引き対象と対象外の境界が事例でわかる
  • 2
    年末支払→翌年受取の給付を、どの年分でどう計上するかがわかる
  • 3
    入院が年をまたぐときの保険金の按分方法がわかる
  • 4
    e‑Tax(スマホ/PC)の入力順と、行ごとの補てん額入力のコツがわかる
  • 5
    2026年の高額療養費“年間上限”導入方針が控除額に与える影響を把握できる

生命保険×医療費控除:補填の線引き

差し引く・差し引かないの境界は、「その給付が医療費の負担を実質的に軽減する趣旨かどうか」です。国税庁は、生命保険の入院・手術・通院給付金、健康保険の高額療養費・家族療養費・出産育児一時金などを差し引く例として明示しています。一方、休業補償である傷病手当金、出産手当金、育児休業給付など“所得補償”は差し引き不要。死亡保険金や高度障害保険金も医療費の補填ではないため差し引きません。がん診断給付金は診断という事実に対する給付で使途自由のため、一般に差し引きの対象外とされます(契約約款や給付趣旨の記載に「医療費補填」と明記がない限り、差し引かないのが実務です)。根拠と基本式の全体像は国税庁の解説を確認できます。(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除))

がん診断一時金は差し引くの?

がん保険の診断一時金を受け取りました。医療費控除では差し引きますか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
一般的には差し引きません。診断一時金は治療費の実費補填ではなく“診断という事実”に対する給付だからです。逆に、入院・手術・通院の実費補填を趣旨とする給付(入院日額や手術給付金、高額療養費など)は、その医療費行に限って差し引きます。契約書や給付決定通知に“医療費補填”の文言があるかも確認しましょう。

家族が受け取った給付と負担者の控除の関係

医療費を実際に負担した人と、保険金等を受け取った人が違っても、給付の趣旨が医療費補填であれば負担者側の医療費から差し引きます。たとえば夫が妻の医療費を支払い、妻が勤務先の互助会から入院給付金を受け取った場合、その給付金は夫の医療費控除の計算上の補填金になります。関連する質疑や手続の注意点は国税庁のQ&Aで整理されています。(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)Q&A)

年またぎ・未確定額の扱い:見込計上→後日修正

年末に支払った医療費に対する保険金等を翌年に受け取る見込みでも、医療費控除は“支払った年”で判定します。申告時点で給付額が未確定なら見込額で差し引き、後に確定額と差が出たら修正申告(増額)または更正の請求(減額)で調整します。国税庁Q&Aがこの運用を明確に示しています。(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)Q&A)

入院が年をまたぐ場合の按分方法

12月と翌年1月に分かれて入院費を払ったケースで、保険金を翌年にまとめて受け取ったときは、支払額の比率で各年に按分して差し引くのが原則です(例:前年15万円・当年5万円の入院費に対し10万円の保険金なら、前年7万5千円・当年2万5千円を差引)。この按分ルールは国税庁の質疑応答事例で確認できます。(医療費を補填する保険金等の金額のあん分計算)

補填が医療費を超えたときの正しい処理

同じ医療費に対する補填額がその医療費を上回る場合、差し引けるのはその医療費の金額まで。超過分は他の医療費から差し引きません。これは収支相償の徹底であり、よくある“差し引き過ぎ”の原因です。計算の考え方は国税庁の基本解説に沿って確認しましょう。(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除))

制度の最新ポイント:2026年の高額療養費“年間上限”導入方針

2026年夏以降、厚生労働省の専門委と医療保険部会でまとめられた方針に基づき、高額療養費制度が段階的に見直される予定です。要点は次のとおりです。長期療養者の負担に配慮して多数回該当(4回目以降)の金額は据え置きとしつつ、新たに「患者負担の年間上限」を導入(まずは患者の申出による償還)する方向。外来特例(70歳以上)は応能負担の観点から見直し、住民税非課税区分には“外来年間上限”を設け、毎月上限まで利用する人の年間負担を増やさない設計案です。例として、現行の年収約370〜510万円層では年間上限53万円、約770万円層は71万円などの水準案が示されています(今後の制度設計と告示で確定)。申告前には、高額療養費の決定通知で“補填額”を確定させ、医療費控除の差し引きに迷いがないように準備しましょう。(高額療養費制度の見直しについて(資料))

e‑Taxスマホ/PC対応:入力順とエラー回避

  • 1
    マイナンバーカードの読み取り環境とマイナポータル連携を事前設定し、確定申告書等作成コーナーへアクセスする
  • 2
    医療費の入力方法を選ぶ(医療費通知の自動取込/医療費集計フォーム読込/手入力)。通知にない自由診療やドラッグストアの医薬品は別途入力する
  • 3
    明細行ごとに医療費額を確認し、同じ行の『補てんされる金額』欄に対応する給付だけ入力する(高額療養費・入院給付金など)
  • 4
    補てん額はその行の医療費を上限に。超過分は他行に移さない(行の医療費超過エラーが出たら、医療費=上限までに調整)
  • 5
    集計結果で『支払医療費合計−補てん額合計−10万円(または5%)』が控除対象になっているか確認する
  • 6
    セルフメディケーション税制(令和8年分まで)を選ぶ場合は、通常の医療費控除と併用不可。どちらが有利かを比較してから送信する

7日で完了:申告までの実践アクション

守るべき順番はシンプルです。まず、レシート・診療費明細・医療費通知・給付決定通知を突き合わせ、保険金や高額療養費の対象医療費と金額を“行ごと”にひも付けます。次に、年をまたぐ給付は支払額の比率で按分し、未確定の給付は見込額をメモ。e‑Taxに取り込んだ医療費通知に、足りない明細(自由診療や市販薬)を追加入力し、各行の『補てんされる金額』を忘れずに入力します。送信後は、紙の領収書(通知添付で簡略化した場合を除く)や給付決定通知を5年間保管し、住民税の反映時期も念のためチェックしておきましょう。(No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除))
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
差し引きは“行ごとに、上限まで”。ここさえ外さなければ、控除の取りこぼしも差し引き過ぎも避けられます。

まとめと次の一手

最後に2点だけ。ひとつめはセルフメディケーション税制(令和8年分まで)との選択です。通院が少なく対象市販薬の購入が多い年は、こちらが有利なことがあります。ふたつめは2026年夏以降の高額療養費見直しです。年間上限の導入により、補填額や自己負担が年単位で変わる人が出ます。医療費控除は“その年の自己負担実額”が土台。確定申告前に通知・給付決定で金額を確定させ、e‑Taxで行ごとに丁寧に入力しましょう。

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