ほけんのAI Logo保険相談の掟

【2026年7月更新】遺族年金改正|60歳未満夫の保障3基準

更新:
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
【2026年7月更新】遺族年金改正|60歳未満夫の保障3基準
遺族年金改正
子なし夫
60歳未満夫
遺族厚生年金
生命保険
収入保障保険
NISA

遺族年金改正で、夫側の備えも見直す時期です

2028年4月施行予定の 遺族年金改正 では、子どものいない60歳未満の配偶者に対する遺族厚生年金が、男女差を縮小する方向で見直されます。これまで子どものいない夫は、妻が亡くなった時点で55歳以上などの条件があり、60歳未満では受け取りにくい仕組みでした。改正後は、60歳未満の夫も原則5年間の有期給付の対象になります。
一見すると「夫も受け取れるようになるなら安心」と感じるかもしれません。ただし、子どもがいない夫婦では遺族基礎年金の対象にならないケースが多く、妻の収入に家計が支えられていた家庭ほど、生活費、住居費、老後資金の不足が表面化しやすくなります。この記事では、子なし60歳未満夫が生命保険でどこまで備えるべきかを3つの基準で整理します。

この記事で確認できること

  • 1
    2028年4月施行予定の遺族厚生年金見直しで、子なし60歳未満夫に起きる変化を確認できます。
  • 2
    妻の死亡後に不足しやすい生活費、住居費、老後資金の考え方を整理できます。
  • 3
    生命保険の必要保障額を、感覚ではなく差額と期間から計算する流れをつかめます。
  • 4
    共働き夫婦や妻が主たる稼ぎ手の家庭で、保険とNISAをどう分けるか判断できます。

まず押さえる改正の要点:60歳未満夫も5年有期給付へ

厚生労働省の(遺族厚生年金の見直しについて)は、2025年6月13日に年金制度改正法が成立し、遺族厚生年金の見直しは2028年4月施行予定だと説明しています。ポイントは、18歳年度末までの子どもがいない60歳未満の配偶者について、男女共通で 原則5年間の有期給付 に近づくことです。
男性にとっては、これまで受け取りにくかった遺族厚生年金を受け取れる可能性が広がります。厚生労働省資料では、新たに5年間の有期給付を受けられるようになる60歳未満の男性は、推計で年間約1万6千人とされています。一方で、給付が原則5年である以上、5年後以降の生活費は別途考える必要があります。

夫が会社員なら、妻の死亡保障は少なくても大丈夫ですか?

妻も働いていますが、自分にも収入があります。妻の生命保険は最低限でよいでしょうか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
夫に収入があっても、妻の収入が家賃、住宅ローン、貯蓄、老後資金に使われていたなら不足が出ます。まずは妻の手取り収入のうち、家計に入っていた金額を確認しましょう。

現行制度との差を知ると、見直す範囲が見えてきます

現行制度では、妻が亡くなったときに子どものいない夫が遺族厚生年金を受け取るには、原則として夫が55歳以上であることが必要で、実際の支給は60歳からという制約があります。生命保険文化センターの(公的な遺族年金の仕組みについて知りたい)でも、夫が受け取る遺族年金の年齢要件や、2028年4月からの見直しが整理されています。
改正後は、夫の年齢条件が廃止され、子どものいない60歳未満の夫も原則5年の有期年金の対象になります。さらに、有期給付加算により5年間の年金額が上乗せされる仕組みや、障害状態にある人、収入が十分でない人への継続給付も予定されています。ただし、制度の対象になることと、家計の不足がすべて埋まることは別問題です。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
生命保険は大きく入れば安心というものではありません。残る生活費と入ってくるお金の差額を見れば、必要な保障はかなり現実的に見えてきます。

基準1:妻の手取り収入から家計依存額を出す

最初の基準は、妻の年収そのものではなく、妻の手取りから家計に入っていた 家計依存額 を見ることです。たとえば妻の手取りが月25万円で、そのうち生活費、家賃、貯蓄に月18万円入れていたなら、夫が失う家計貢献額は月18万円です。
ここで大切なのは、死亡後に減る支出も同時に見ることです。食費や通信費は一部減る一方、家賃や住宅ローン、車、保険料、奨学金返済、親への仕送りなどはあまり減らないことがあります。したがって、不足額は「妻の手取り」ではなく、妻死亡後も残る固定費と夫の収入で見積もります。
生命保険文化センターの(生命保険に関する全国実態調査(速報版))では、2024年度の2人以上世帯における生命保険の世帯加入率は89.2%、世帯普通死亡保険金額は平均1,936万円、年間払込保険料は平均35.3万円でした。ただし平均額はあくまで参考です。子どもがいない夫婦でも、妻の収入で住居費や資産形成を支えているなら、平均より少なくてよいとは限りません。

受け取れる遺族厚生年金は、いくらで考えればよいですか?

改正後に5年受け取れるなら、その分を生命保険から引いて考えてよいですか?
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
考え方としては引いてよいですが、金額は妻の厚生年金加入期間や給与水準で変わります。ねんきん定期便や勤務履歴をもとに概算し、確定額として見込みすぎないことが大切です。

基準2:5年間で足りるか、5年後も不足するかを分ける

改正後のポイントは、子どものいない60歳未満夫が5年間の有期給付の対象になり得ることです。つまり、最初の5年間は遺族厚生年金で一部を補える可能性がありますが、5年後に同じ支援が続くとは限りません。
たとえば、妻死亡後の不足が月10万円で、遺族厚生年金などで月6万円相当を補えるなら、最初の5年間の不足は月4万円です。この部分だけなら、月4万円×60か月で240万円が目安になります。しかし5年後に給付が終わると、月10万円の不足に戻る可能性があります。生命保険で備える場合は、最初の5年分と、その後の自立・老後準備まで分けて考えると過不足を避けやすくなります。

不足額をざっくり試算する手順

  • 1
    妻死亡後も残る毎月の固定費を、家賃、住宅ローン、通信費、保険料、車、返済に分けて書き出します。
  • 2
    夫の手取り収入、使える貯蓄額、受け取れる可能性がある遺族厚生年金を確認します。
  • 3
    最初の5年間の不足額は、月額不足分に60か月を掛けて計算します。
  • 4
    5年後以降も不足する場合は、転職、住み替え、保険金、貯蓄取り崩しのどれで埋めるか決めます。
  • 5
    保険金額は、葬儀費用や引っ越し費用など一時的な支出も足して考えます。

基準3:生命保険は収入保障と定期保険を使い分ける

子なし60歳未満夫が妻の死亡に備える場合、候補になりやすいのは 収入保障保険 と定期保険です。収入保障保険は、死亡後に毎月一定額を受け取る形の保険で、生活費の穴埋めに向いています。定期保険は、一定期間内に死亡した場合にまとまった保険金を受け取る保険で、住宅ローンの繰上返済、引っ越し、葬儀費用、当面の生活再建費に使いやすい設計です。
妻の収入が毎月の生活費を支えていたなら収入保障保険、まとまった支出に備えたいなら定期保険が合いやすいです。両方を少額ずつ組み合わせる方法もあります。大事なのは、夫婦の収入差ではなく、妻が亡くなった後に夫が何年で家計を立て直せるかです。
なお、住宅ローンに団体信用生命保険が付いている場合でも、妻が連帯債務者やペアローンの契約者になっていると、どちらの債務が消えるかは契約内容で変わります。ローンの名義、持分、団信の対象者は、保険証券と同じくらい早めに確認しておきたいポイントです。
山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)
夫に収入がある家庭でも、妻の収入がなくなると家計の設計は大きく変わります。夫婦どちらが亡くなっても暮らしが続くかを、一度数字で見ておくことが大切です。

NISAと生命保険は、時間軸で役割が違います

金融庁の(NISAを知る)では、2024年からのNISAについて、非課税保有期間の無期限化、制度の恒久化、年間投資枠最大360万円、非課税保有限度額1,800万円などが説明されています。長期の資産形成に使いやすい制度であることは間違いありません。
ただし、 NISAは生活再建資金の置き場所ではない と考えるのが安全です。投資資産には価格変動があり、妻が亡くなった直後に評価額が下がっていることもあります。葬儀費用、引っ越し、住宅費、数か月分の生活費がすぐ必要になるなら、売却タイミングを選びにくいNISAだけで備えるのは不安が残ります。
生命保険は、万一の直後にまとまった資金を用意する仕組みです。一方、NISAは10年、20年先の老後資金や住み替え資金を育てる仕組みです。どちらが得かではなく、短期の保障と長期の資産形成を分けると家計全体が安定します。

夫婦で確認したい保険証券と家計メモ

見直しの前には、いきなり商品を比較するより、いまの契約と家計を棚卸ししましょう。確認したいのは、妻が加入している死亡保険金額、保険期間、医療保険や就業不能保険の有無、夫婦それぞれのNISA残高、生活防衛資金です。
保険証券が手元にあれば、死亡保険金がいつまで、いくら出るのかを確認できます。保険期間が10年更新型の場合、将来の保険料上昇も見ておきたいところです。妻の保障が勤務先の団体保険だけの場合、退職や転職で保障が変わる可能性もあります。
子どもがいない夫婦では、教育費がないため生命保険の必要性を低く見積もりがちです。しかし、住宅費、老後資金、親の介護、ペット費用、車の維持費など、夫婦で分担していた支出は残ります。特に妻の収入で貯蓄や投資を進めていた家庭では、妻の死亡により将来の資産形成ペースが大きく落ちます。制度だけで安心せず、家計の不足額を月額で出し、必要な期間だけ保険で補うのが現実的です。

まとめ:重要ポイント

  • 1
    遺族年金改正により、子どものいない60歳未満夫も原則5年間の遺族厚生年金の対象になります。
  • 2
    生命保険の必要額は、妻の年収ではなく妻死亡後に残る家計不足額から考えるのが基本です。
  • 3
    5年有期給付を前提に、最初の5年間と5年後以降の不足額を分けて試算します。
  • 4
    短期の生活再建は生命保険、長期の老後資金はNISAというように役割分担すると整理しやすくなります。
  • 5
    保険証券、住宅ローン契約、家計簿、NISA残高をそろえると、FP相談で必要保障額を具体化しやすくなります。

まずはAI相談から、必要なら無料オンラインFP相談へ

遺族年金改正後の不足額は、夫婦の収入、住居費、貯蓄、保険期間で大きく変わります。ほけんのAIなら、まずLINEでAI相談から始められ、必要に応じて有資格者のFPにオンラインで無料相談できます。保険とNISAを中立的に比較しながら、自宅から家計と保障を棚卸しできます。いまなら無料オンラインFP相談参加でgiftee Cafe Boxほか各種ギフトBoxがもらえるキャンペーンも実施中です。

🎁今なら面談後アンケート回答で
1,500円分全員プレゼント!

カフェで相談する様子

関連記事一覧

【2026年7月更新】定期保険ランキング|30代子育ての死亡保障3基準

【2026年7月更新】定期保険ランキング|30代子育ての死亡保障3基準

定期保険ランキングを30代子育て世帯向けに読み替える方法を解説。必要保障額、保険期間、健康割引・更新条件の3基準に、遺族年金や教育費の最新情報を加えて、保険料の安さだけで迷わない選び方を整理します。

【2026年7月更新】生命保険料控除と親の扶養|75歳以上の3基準

【2026年7月更新】生命保険料控除と親の扶養|75歳以上の3基準

生命保険料控除と親の扶養を75歳以上の親世帯向けに解説。2026年の所得要件、後期高齢者医療、介護費、医療費控除の判断基準を整理します。

【2026年7月更新】学資保険ランキング|0歳からの返戻率と受取時期3基準

【2026年7月更新】学資保険ランキング|0歳からの返戻率と受取時期3基準

学資保険ランキングを0歳加入の返戻率、17歳・18歳・22歳の受取時期、児童手当やNISAとの配分から3基準で整理。大学費用の最新データも踏まえて解説します。

【2026年7月更新】持病があっても入れる生命保険|告知と選び方3基準

【2026年7月更新】持病があっても入れる生命保険|告知と選び方3基準

持病があっても入れる生命保険を、告知準備、引受基準緩和型・無選択型の違い、公的制度と家計に合う選び方の3基準で整理します。

【2026年7月更新】iDeCo19年ルール|60代の個人年金受取3基準

【2026年7月更新】iDeCo19年ルール|60代の個人年金受取3基準

iDeCo19年ルールを60代向けに解説。退職金とiDeCoの受け取り順、個人年金保険の税区分、老後生活費と保障を踏まえた判断基準を整理します。

【2026年7月更新】生命保険の予定利率|金利上昇期の見直し3基準

【2026年7月更新】生命保険の予定利率|金利上昇期の見直し3基準

生命保険の予定利率を金利上昇期にどう見直すかを解説。古い契約の確認、新商品との手取り比較、NISA・iDeCoとの役割分担まで3基準で整理します。