【2026年2月更新】生命保険 共働き年収2,000万円|不足額3ステップで設計
更新:
執筆者山中 忠 (FP1級・証券外務員一種保持)

生命保険 共働き
年収2000万円
必要保障額
収入保障保険
定期保険 ラダー設計
遺族厚生年金
高額療養費
目次
はじめに:誰が読んでも“数字で決める”設計に
共働きで世帯年収が 2,000万円 あっても、片方の収入が途切れると家計には不足が生じます。本記事は“不足額=家計の差”を 差額×期間 で数値化し、無駄なく不足だけを埋める生命保険の設計を、最新制度(年金・医療・NISA/DC)に沿って実務的にまとめました。持ち家(団信あり/なし)・賃貸・DINKsの違いまで、誰でも同じ手順で判断できるように整理しています。
不足額3ステップの全体像
- 1生活費・教育費・住居費・外注費(家事・保育)と、公的給付・会社の給付・預貯金・既契約の受取を棚卸しする
- 2期間(子の独立・住宅完済・老齢年金受給まで)と一時費用(入学金・引越し・葬儀等)を決める
- 3毎月の不足額×12×必要年数で“死亡時に必要な保障額”を出す
- 4毎月の不足は収入に連動する保障で、ピーク費用は一時金で――役割を分けて商品を組み合わせる
最新前提(2026年2月):制度アップデート早見
重要な制度改正は設計の前提になります。以下は2026年2月時点の押さえておきたい更新です。
- 在職老齢年金は2026年4月から支給停止基準額が“月65万円”へ段階引上げ開始。概要は (在職老齢年金制度の見直しについて) と、全体像の PDF (年金制度改正の全体像) が参考になります。
- 令和8年度の年金額改定は、国民年金(基礎年金)+1.9%、厚生年金(報酬比例)+2.0%。詳細は PDF (令和8年度の年金額改定について)。
- 遺族厚生年金 は2028年4月以降、子のいない若年配偶者に原則5年間の有期給付(期間中は加算で現行の約1.3倍)、以後は所得に応じた継続給付へ。制度の骨子は (遺族厚生年金の見直しについて) と広報 PDF (年金制度改正法に関する広報)。
- 高額療養費制度は“年間上限”の導入と外来特例の見直しを段階的に進める方針。たたき台は PDF (高額療養費制度の見直しについて)。
- NISAは2026年度税制改正で対象商品の拡充や定期売却の手数料整理等が示されています。金融庁の PDF (令和8(2026)年度税制改正について) を確認してください。
- 企業型DC・iDeCoは拠出上限の拡充が順次施行予定(企業型DCは月6.2万円へ)。改正の全体像は PDF (年金制度改正の全体像) にまとまっています。
遺族年金の継続給付は高収入だと停止する?
共働きで妻の年収が高い場合、夫が亡くなった後の遺族厚生年金ってずっと受け取れるのですか?
2028年以降は“子のいない若年配偶者”に原則5年の有期給付+所得に応じた継続給付という新ルールになります。継続給付には所得基準があり、一定以上の所得では支給が調整・停止される仕組みです。制度の骨子は (遺族厚生年金の見直しについて) と広報資料 PDF (年金制度改正法に関する広報) で確認できます。保険の設計は“継続給付が減る可能性”を前提に、不足額を保険で補うのが安全です。
ステップ1:支出・収入の棚卸し(生活費・外注費・会社給付・遺族年金)
最初に、万一の後に残る支出と入ってくる収入を家計表で“見える化”します。生活費は物価・住居・子の年齢で上下します。外部化する費用(延長保育・家事代行・タクシー等)は、就労継続のための“必要経費”として月額で計上しましょう。教育費は公的統計を基準にレンジで見積もるのが実務的です。文科省の最新調査(令和5年度)では公立中心で約614万円、すべて私立で約1,969万円の目安が示されています(PDF「調査結果の概要(訂正)」の主要数値は (こちら))。収入側は、遺族年金(基礎・厚生)・会社の死亡退職金・弔慰金・既契約の死亡保険・預貯金を期間ごとに並べ、重複と漏れをなくします。
毎月の不足は“月額の年金形式”で、ピーク費用は“一時金”で。役割を分けると、保障は少ないコストで家計の谷を的確に埋められます。
ステップ2:期間設定と一時費用(教育費・住居・葬儀)
“いつまで”の備えが要るかは、末子の独立・住宅ローンの完済・配偶者の老齢年金受給開始のいずれかを基準にとります。持ち家は団信の有無・持分で、賃貸は家賃と更新料を年ベースで。教育費のピーク(中高・大学)や引越し費用・一時の帰省費・葬儀・整理費(形態で大きく変わります)は“月額とは別枠”の一時金として期間に重ねます。期間の区切りが明確になるほど、保険の満了年齢や上乗せの年数が決めやすくなります。
ステップ3:差額×期間=必要保障額(試算のコツ)
不足額の概算は「毎月の不足額×12×必要年数」。例えば“毎月15万円の不足が20年続く”なら 15万円×12×20=3,600万円が目安です。実務では“先に公的・会社給付で埋まる分”を月表に落としてから、不足だけを保険で埋めます。金利・物価の上振れを考慮し、教育費や住居費は幅を持たせてレンジ試算に。片働き化が続く可能性が高い場合は、年数を長めに設定しても良いでしょう。
年収2,000万円モデルの試算例(子あり×持ち家・団信あり)
夫年収1,200万円・妻年収800万円、子2人(5歳・2歳)、持ち家(団信あり)を想定。住宅ローンは団信で消える前提でも、固定資産税・管理費・修繕積立は住居費に残ります。就労継続のための延長保育・家事外注を月5〜8万円レンジで加算し、遺族年金・会社給付・既契約・預貯金を差し引いた“毎月の不足額”を出します。例えば、妻がフルタイム継続で“毎月10〜15万円の不足”なら、高校・大学のピーク期(10〜20年)に厚め、以降は薄めのラダーを重ねると過不足が出にくくなります。継続給付(2028年以降)の所得判定は結果に影響するため、制度リンクで最新を確認しながらレンジで検討してください。
設計の実務:収入保障×定期のラダーで谷を埋める
- 1毎月の不足は 収入保障保険 を“満了年齢(65・70)と最低支払保証(2年・5年)”で設計する
- 2教育費のピーク・住居の一時費用は 定期保険 を10年・15年・20年の“階層(ラダー)”で重ねて一時金で受け取る
- 3保険料の最適化は非喫煙者割引・年払い(前納割引)・健康増進型の活用で、同額でも負担を軽くする
- 4既契約の特約重複(医療・がん・就業不能)と会社の団体保障の重複を棚卸しで外し、“不足だけ”を残す
- 5満期・更新・責任開始日の“空白”が出ないよう、申込み順と開始日をタイムライン管理する
高収入世帯の税・相続の要点
死亡保険金の相続税“非課税枠”は(500万円×法定相続人)。納税資金が必要な場合は、受取人の配分や一時金・年金受取の使い分けで現金を準備しやすくなります。契約者・被保険者・受取人の組み合わせは、贈与・相続の扱いと“7年ルール(持ち戻し)”の影響を意識。企業型DCの死亡一時金や会社の弔慰金と重ねる場合は税目が変わるため、約款・就業規則の記載で受取順を確認しておきましょう。
資産形成制度と役割分担(新NISA・iDeCo/企業型DC)
“守りは保険、増やすのは非課税枠”が基本です。NISAは2026年度改正で対象商品の拡充や定期売却の手数料の扱い整理が示されました(PDF (令和8(2026)年度税制改正について))。企業型DCは拠出上限の拡充(例:月6.2万円)やマッチング拠出の扱い見直しが進みます(PDF (年金制度改正の全体像))。“保険(保障)”と“積立(運用)”の目的を分け、家計全体の配分を決めると無理がありません。
よくある落とし穴と対策
夫婦同額でそろえる“見た目の安心”は、主要収入源の偏りや家事・育児の分担を無視しがちです。役割に合わせ、主たる稼ぎ手は厚く、もう一方はミニマムで。特約の重複(医療・がん・就業不能)は、会社の団体保障や共済と二重になりやすいので棚卸しで削減を。持ち家は団信・持分とローン残高の“すき間”、賃貸は家賃分の長期不足を見落としやすいので優先確認。物価上昇と教育費の増額は“レンジで試算”し、ピーク期間に手厚く、終了後は薄く――ラダーで時間に沿って縮めると保険料を抑えやすくなります。
7日で進める段取り(実行プラン)
短期間で見直したいです。何から始めれば良いですか?
1〜2日目は家計の棚卸し(生活費・外注費・住居・教育費)と保険証券・会社制度のリスト化。ねんきんネットや制度リンクで公的給付の前提を確認。3〜5日目は収入保障・定期の見積りと比較、告知書の準備(健診結果・投薬歴)。6〜7日目は申込み順と責任開始日の管理で“空白ゼロ”を徹底します。非喫煙者割引・年払いも見積り時に同時比較してください。
FAQ:高年収特有の疑問を解消
・“継続給付は停止する?”:2028年以降は所得に応じた調整・停止の仕組みが導入されます。リンクで最新の判定を確認し、保険側で不足を織り込むのが安全です((遺族厚生年金の見直しについて))。
・“終身保険は足す?”:相続・流動性の目的が明確なら少額の終身で“固定の現金”を確保。積立・増やす機能はNISAやDCで担うのが合理的です。
・“学資・NISA・保険の優先順位?”:家計の不足(死亡・休職)は“保険で守る”、教育・老後の“増やす資金”は非課税枠で。守りの穴がなければ、先に積立の比率を上げて構いません。
まとめ:重要ポイント
- 1不足額は 差額×期間 の式で“数字で”決める
- 2毎月の不足は年金形式、一時費用は一時金で“役割分担”する
- 3最新制度(在職老齢年金・年金改定・高額療養費・NISA/DC)を前提にする
- 4ラダーで“時間に沿って”保障を縮め、保険料を抑える
- 5重複保障を外し、“不足だけ”を残すと精度もコストも向上する
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